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22時間前
京都市中京区のHOSOO GALLERYでは、展覧会「The Hemispheres」が2025年6月27日(金)から8月10日(日)まで開催。京都・西陣織の老舗 細尾(HOSOO)とイタリア・ミラノを拠点とする建築・デザインスタジオ DIMORESTUDIO(ディモーレスタジオ)の協働から生まれた新作テキスタイルコレクション「Hemispheres Collection」が日本で初披露される。
新作屏風《The Atlas of Hemispheres》
新作テキスタイルによる平面作品《Optical》《Skyward》《Insignia》《Nami Levitas》《Hishi Small》
同コレクションの中心となるのは、HOSOOの工房に受け継がれてきた、約2万点にもおよぶ帯図案のアーカイブ。これらの図案の多くは、「アタリ」と呼ばれる未着彩の素描図案で、何世代にもわたり文様を継承できるように工夫されている。未着色であるからこそ、世代や時代を越えて職人たちが手を加え、完成へと向かう西陣織特有の創作プロセスが実現する。
今回は、HOSOOが長年アーカイヴを行ってきた未完の図案に、DIMORESTUDIOが現代的な色彩を与えるという新たな試みに挑戦。2025年4月にミラノデザインウィークにて発表された同コレクションを軸として、西陣織の伝統的な意匠とイタリアの装飾的感性を融合した新たな屏風を制作・公開し、あわせて細尾家に伝わる江戸後期の「長寿屏風」も特別展示する。
細尾家に伝わる貼交屏風 《長寿屏風》(裂:元文年間~大正時代(1736‒1926年)、細尾家蔵)
この長寿屏風は六曲一双・全12折で構成され、総数128点におよぶ大小さまざまな裂を用いた「貼交(はりまぜ)屏風」である。西陣では古くから、能装束裂や帯地、名物裂などを貼り合わせ、記念や記録として残す習わしがあり、こうした屏風は貼交屏風と呼ばれてきた。単なる調度品にとどまらず、西陣織のアーカイヴとして高い史料価値をもつ。
同展のタイトル「Hemispheres」は、「半球」を意味する古代ギリシア語に由来する。そこには、東洋と西洋、伝統と現代、静と動といった対をなす異なる価値が互いを補完しながら、ひとつの世界を形成するという思想が込められている。
The Hemispheres
- 会期
- 2025年6月27日(金)~8月10日(日)
- 開館時間
- 10:30~18:00(祝日・年末年始を除く、入場は閉館の15分前まで)
- 入場料
- 無料
- 会場
- HOSOO GALLERY(京都市中京区柿本町412 HOSOO FLAGSHIP STORE 2F)
- 詳細
- https://www.hosoogallery.jp/exhibitions/hemispheres/