目黒区美術館、絵本「まるさんかくぞう」と
トイコレクションを紹介する展覧会を開催中

ネフスピール クルト・ネフ 1958年 ネフ社

東京都の目黒区美術館は、展覧会「○△□えほんのせかい+目黒区美術館トイコレクション 同時開催 クルト・ネフ生誕99年」を2025年8月24日(日)まで開催中である。

『まるさんかくぞう』表紙 及川賢治・竹内繭子 2008年 文溪堂

同展では、及川賢治と竹内繭子(100% ORANGE)の絵本作品「まるさんかくぞう」に焦点を当てる。同書には、一番上に丸いかたち、真ん中に三角、そして一番下には象が積み重ねられていた、カラフルなかたちが3つ登場する。他にも、船、帽子など、実際にはありえない、大きさや重さが異なるものが積まれている。そのため、読者のなかには違和感を覚える人もいるだろう。

しかし絵本には、そんな非現実を軽々と超えていく想像力とイラストレーション、そしてデザインの力がある。同展では、及川が「形にもリズムがあるなと思う。人間はみんな積み木をしたり粘土をしたりしてリズムやノイズをつくって喜んでいる」と語るように、人間には「遊ぶ」力が本来備わっていることを改めて気づかせてくれる。

本に出会う前の本 ブルーノ・ムナーリ 1980年 ダネーゼ社

童話あそび エンツォ・マーリ 1965年 ダネーゼ社

さらに、「まるさんかくぞう」に合わせて、同館が長年にわたり「手で考える」という視点で収集してきた、国内外の優れたデザインのトイコレクションを展示。

トイは、ひとつの形がさまざまな形に展開するものや、年齢を問わずイマジネーションを膨らませてくれるものであり、私たちの想像力や独創性を刺激し、育んでくれる。同館では1995年に「トイコレクションボランティアチーム」を発足させ、コミュニケーション・ツールとしての可能性を広げる活動を展開してきた。今回は、チーム発足から30周年を機に、実際にトイで遊べるプレイコーナーを設け、チームメンバーらが来場者に手ほどきをする。

リグノ ペーター・シュミット 1962年 ネフ社

ネフスピール(初期) クルト・ネフ 1958年 ネフ社

スイス、バーゼルの見本市でのクルト・ネフ (左) ⓒ Naef Spiele AG,Zofingen,Switzerland Photographer Peter Schnetz, Basel

また、同時開催として、「クルト・ネフ生誕99年」展を開催。同館のトイコレクションの中心をなすスイスのトイメーカー「Naef(ネフ)」社の創立者 クルト・ネフ(1926-2006)の活動を紹介。新しい発想の玩具を次々と発表し、20世紀における世界の玩具の歴史に多大な影響を与えたネフを取り上げ、トイメーカーとしての功績やNaef社のこれまでの歩み、そして貴重なトイの数々を展示する。End

○△□えほんのせかい+目黒区美術館トイコレクション
同時開催 クルト・ネフ生誕99年

会期
2025年7月5日(土)~8月24日(日)
休館日
月曜日 ※ただし、7月21日(月・祝)・8月11日(月・祝)は開館、7月22日(火)・8月12日(火)は休館。
時間
10:00〜18:00(入館は17:30まで)
会場
目黒区美術館(東京都目黒区目黒2-4-36)
詳細
https://www.mmat.jp/exhibition/archive/2025/20250705-454.html

トークイベント

日時
2025年7月19日(土) 14:00~15:30
場所
目黒区美術館 ワークショップ室
講師
小柳 帝(ライター、編集者)
定員
50人
対象
高校生以上
参加費
無料(ただし、当日有効の同展観覧券が必要)
参加方法
当日先着順