「共創」から未来をひらく
MIDのサーフェイスデザインの提案
#DNP

MID(Mobility Innovative Design:モビリティ イノベーティブ デザイン)チームは、大日本印刷(DNP)のモビリティ事業部内に2020年に結成されたクリエイティブ集団である。加飾フィルムの分野で、次代のモビリティに向けた独自の質感表現「サーフェスデザイン」を探求する。MIDを牽引するリーダーの太田浩永とデザイナーの荒井悠希に話を聞いた。

微細な凹凸を金属表面に加工し、パターンが浮かび上がるような表現を実現。

次代のモビリティデザイン開発に取り組む

世界有数の総合印刷会社であるDNPの加飾フィルムは、長年の実績と卓越した技術力に支えられ、幅広い分野で高い評価を得ている。加飾フィルムとは、印刷技術によって意匠を施した樹脂製シートで、工業製品の表面に装飾を施すために使用される。

同社ではその加飾フィルム分野において、2020年にモビリティ事業部内にMIDチームを結成。その背景には、自動車産業の「100 年に一度の変革期」があった。デジタルテクノロジーの進化やSDGsへの取り組みなどによって機能や価値観の変化が予測されるなか、 MID は次代のモビリティを見据えた外装・内 装材の加飾フィルムの開発に取り組む。メン バーには、大学で工芸やテキスタイル、プロダクトを学んだ若い世代や、自社の住宅建材や自動車の加飾フィルム事業で経験を積んだデザイナーが結集。リーダーを務める太田浩 永は、建材事業部 KPC 本部で住宅の床や壁 材、自動車の内装材などの加飾フィルムの開発に携わった経験をもつ。

MID のデザインビジョンは、「核心/革新に 美。」。印刷産業の歴史は文字を美しく印刷す ることから始まり、今やその印刷技術は家具や家電、住宅、自動車、ビル、店舗、鉄道とさまざまな領域で使用され、人の生活を支えている。「核心/革新に美。」には、ひとつひとつの仕事に「美」をもって向き合い 、暮らし全体を豊かにしていきたいという考えが根ざす。