植木莞爾デザインの名作椅子が復刻
「KANJI CHAIR」として新たに販売を開始

オリジナルの精神を受け継ぎながらも、現代の空間に呼応するミニマルなフォルムにリデザインされた「KANJI CHAIR(カンジチェア)」。

東京・目黒の家具ブランド COMPLEX UNIVERSAL FURNITURE SUPPLY(コンプレックス ユニバーサル ファニチャー サプライ)は、インテリアデザイナーの植木莞爾が手がけた新作チェア「KANJI CHAIR(カンジチェア)」の販売を開始した。

「KANJI CHAIR(カンジチェア)」デザイナー:植木莞爾
価格:¥58,000(税別)、サイズ:W520×D502×H674×SH444、重量:6kg、カラー:ナチュラル、シート:ブナ成形合板、背もたれ:ブナ突板積層材、フレーム:スチールパイプ

最大4脚までスタッキングも可能。

植木は、建築家の谷口吉生(1937-2024)が手がけた名建築のひとつである東京都江戸川区の葛西臨海水族園ビジターセンターの内装デザインを託され、1986年にこの空間のためのチェア「TWIN CHAIR」をデザインした。ミニマルで構造美を極めた佇まいをもつ、当時の建築と美意識を体現したプロダクトであり、空間に強い印象を与えるチェアとして高い評価を受けている。

同チェアの発表から36年を経て、今回新たに誕生したのが「KANJI CHAIR」である。植木自身のディレクションのもと、オリジナルの精神を受け継ぎながら、現代の空間にフィットするミニマルなフォルムにリデザインされた。カラーはナチュラルとブラックの2色展開。最大4脚までスタッキング可能で、実用性も兼ね備えている。

「KANJI CHAIR(カンジチェア)」デザイナー:植木莞爾
価格:¥58,000(税別)、サイズ:W520×D502×H674×SH444、重量:6kg、カラー:ブラック、シート:ブナ成形合板、背もたれ:ブナ突板積層材、フレーム:スチールパイプ

同ブランドは、日本の近代デザイン史を象徴する名作家具を、現代に蘇らせる復刻シリーズ「Heritage Collection」を展開。オリジナルの価値を尊重しつつ、新しい解釈を加えることで、未来に継承すべき美学と機能性を併せもつ作品をラインナップしており、「KANJI CHAIR」もそのひとつとなる。

同コレクションの第1弾として披露されたのは、建築家の村野藤吾が長年携わった京都・都ホテル(現・ウェスティン都ホテル京都)のためにデザインした「MURANO MIYAKO THREE-SEAT SOFA」および「MURANO MIYAKO LOUNGE CHAIR」だった。2020年のホテル創業130周年のリニューアルにあたり、オリジナルを受け継ぐ復刻を実現している。

「MURANO MIYAKO THREE-SEAT SOFA(ムラノ ミヤコ スリーシートソファ)」デザイナー:村野藤吾
価格:¥528,000(税別)〜、サイズ:W1825×D730×H665×SH375×AH470、脚:ブナ材

「MURANO MIYAKO LOUNGE CHAIR(ムラノ ミヤコ ラウンジチェア)」デザイナー:村野藤吾
価格:¥280,000(税別)〜、サイズ:W690×D730×H665×SH375×AH470、脚:ブナ材

第2弾は、インテリアデザイナーの剣持 勇が秋田木工のために1964年にデザインしたチェア「No.80」が選ばれた。1991年に製造は終了していたが、秋田木工に保管されていた金型を用いて33年ぶりの復刻を果たした。

「No.80 / NATURAL(ナンバーハチジュウ – ナチュラル)」デザイナー:剣持 勇
価格:¥133,000(税別)〜、サイズ:W630×D555×H680×SH405×AH588、フレーム:ブナ材

「No.80 / BLACK(ナンバーハチジュウ – ブラック)」デザイナー:剣持 勇
価格:¥133,000(税別)〜、サイズ:W630×D555×H680×SH405×AH588、フレーム:ブナ材

「No.80」(左)座面高(SH)450mm、(右)座面高(SH)405mm
オリジナルの座面高(SH)405mmに加え、ダイニングチェアとしても使える座面高(SH)450mmもラインアップ。

第3弾の「KANJI CHAIR」で、COMPLEX UNIVERSAL FURNITURE SUPPLYは忠実な復刻にとどまらず、植木莞爾のデザイン思想の継承と新たな価値の創出に挑んだ。時代を越えたデザインのエッセンスと現代の空間ニーズを巧みに融合させ、今の暮らしにふさわしい椅子へとさらなる進化を遂げている。