東京・西新宿のNTTインターコミュニケーション・センター [ICC]では、ICC キッズ・プログラム 2025「みくすとりありてぃーず——まよいの森とキミのコンパス」が2025年9月15日（月・祝）まで開催されている。

インターネットを通じて、私たちは日々さまざまな情報に触れながら暮らしている。これらの情報は生活を支えてくれる一方で、AI技術の発達も加速し真実とフェイクの見分けが難しくなり、ときに望まぬ方向へ導かれてしまうこともある。

それはまるで草木が生い茂り、目の前の道がはっきりとしない「まよいの森」を歩んでいるかのような状態だ。そんなとき、今いる場所や状況を確かめ、進むべき道を知る手がかりとなるのが「コンパス」である。

そこで同展では、作家たちが各自の方法で表現したさまざまな「複合現実（Mixed Reality）」の作品を展示。子どもたちをはじめとする観客は、ただ「見る」だけでなく、これまでに培ってきた経験や感覚をもとにこれらの作品に参加することができる。主体的に関わる体験を通じて「自分なりの意味の見つけ方（コンパス）」を探求する場が提供される。

展示されるのは、デジタル技術と物理現象が重なった空間で現実の時間や空間について考える作品、映像内の対戦相手とリアルな場でテーブルゲームを行う作品、目の前の状況と配信されている映像を通して情報の不確かさに触れる作品など、アーティストたちが考案した多彩な作品群である。

「複合現実」がもたらす「みくすとりありてぃーず」な世界において、私たちは複雑な情報のあり方をどう認識し、どう捉え、どう判断していくのか。同展では、自分自身のコンパスを確認しながら、現代社会に欠かせない洞察力を育むことを試みる。