PROMOTION | コンペ情報 / ビジネス
2025.09.04 17:18
東京都が主催し、公益財団法人日本デザイン振興会が企画・運営を行う「東京ビジネスデザインアワード(TBDA)」は、2025年度の参加企業のテーマを発表し、デザイナーからの提案募集を開始する。募集期間は2025年9月3日(水)から10月29日(水)23:59まで。
2012年にスタートし、今年で14回目となるTBDAは、都内の中小企業が有する技術や素材などをテーマに、課題解決力・提案力に優れたデザイナーとの協業を通じて、新商品や新規事業の開発を促進することを目的としたアワードである。
今年も、幅広い領域の企業から8つのテーマが選出されている。デザイナーからの提案を募集し、企業とデザイナーの提案がマッチングすると、プロジェクトの実現化に向けた協働がスタート。プレゼンテーション方式の最終審査を経て、2026年2月に最優秀賞・優秀賞が決定する。
2025年度 東京ビジネスデザインアワード テーマ概要
テーマ「木や紙の風合いを保ちながら不燃化させる技術」
株式会社アサノ不燃(江東区)
木材にホウ酸などを用いた「セルフネン液」を特殊技術により含浸。木材の風合いはそのままに、延焼せず、有毒ガスを出さないという「燃えない」木材を開発。木塗り壁、和紙、繊維なども独自の技術で不燃化し、建築材の新たな可能性を切り開いている。
テーマ「精密金型メーカーが誇る高精度なバイオプラスチック射出成形技術」
日進精機株式会社(大田区)
「乳酸菌(ラクトバシラス)+でんぷん」からつくられた植物由来の生分解性樹脂(PLA樹脂)。PLA樹脂は、単一素材では大変に成形し難い被加工材だが、同社は樹脂成形に必要な射出成形機および金型構造や成形の条件出しに高い技術とノウハウを備えている。
テーマ「デジタルの精度と手仕事の技量が共存する加工・生産体制」
株式会社サルトル(新宿区)
再現性の高いデジタル加工と、人の手による仕上げを組み合わせることで、温もりと精度が共存する製品づくりを実現している。また、素材の源流である林業や産地と連携し、素材を無駄なく活かす設計・加工・生産体制の構築を目指し意欲的に活動している。
テーマ「個別化された情報を正確安全に届けられる、印字とフィルム圧着書面」
昭和印刷株式会社(江戸川区)
自社システム開発と、細かな種類別のデータ印字など、顧客の要望に沿った送付物の印字が可能な技術と、重要文書の作成発送で実績のある、フィルム圧着葉書を強みとしている。近年は新規事業へ投資するなど新しい取組みにも挑戦していきたいと語る。
テーマ「食品衛生法クリア・アレルゲンフリーの光造形3Dプリンタ用レジン」
Expert Material Laboratories株式会社(新宿区)
日本製低アレルゲン水洗いレジン。本テーマは食品衛生法に適合し、アレルゲンフリーかつ、造形後に水と台所用洗剤だけで安全に洗えてその廃液も水道に流せる特徴を持つ。レジンに紫外線を当てて薄い板を積み重ねて立体を造形する「光造形3Dプリンタ」で使用できる素材。
テーマ「多様化・複雑化する紙の表現に対応するワンストップ印刷製造技術」
株式会社スバルグラフィック(中野区)
企画・デザイン・プリプレス・加工・仕分け・梱包・発送までを一貫して手がけるトータルソリューション企業。創業以来、製版技術と色補正技術を強みとして、視覚と触覚の両面に訴える“触れる印刷物”を生み出す体制を整えている。
テーマ「電源不要、トップクラス性能の高輝度蓄光素材」
株式会社humorous(目黒区)
太陽光を蓄えて夜間に発光する高輝度蓄光素材。最新の技術を応用し、電気代、メンテナンス、電気工事がすべて不要で半永久的に使用できる特徴を持つ。humorousは世の中の困りごとに役立ちたいとユーザーに寄り添うものづくりを目指している。
テーマ「多品種の金属表面に豊かなCMF表現をもたらす特許技術」
株式会社フロント(新宿区)
各種金属部材に、塗料あるいは薬剤で色層を生成し、それを研磨することによってさまざまな新しい仕上げや表情を実現。各種メッキ鋼板、耐候性鋼板、ステンレス、アルミ、銅、真鍮、チタンなど、どの金属でも適用することができる。内装材はもちろん、外装材としても幅広く使える可能性を持つ。
東京ビジネスデザインアワードの特徴
新規アイテムの開発だけがゴールではなく、審査の段階から各分野の専門家で構成される審査委員会からコンサルテーションを受けられ、実践的なアドバイスを得られるなど、デザイン・財務・流通・広報などの多面的な支援体制が3年度にわたって継続的に提供される。
さらに今年度より、提案を実現する上で重要となる意匠権および商標権などの産業財産権の取得に関して、1チームあたり最大50万円まで補助(適用時諸条件あり)。実現したビジネスに対して、模倣から保護するための適切な権利保持をサポートしてくれる。
2025年度「東京ビジネスデザインアワード」デザイン提案募集概要
- 募集期間
- 2025年9月3日(水)〜10月29日(水)23:59
- 応募資格
- 中小企業との協業に意欲をもつ国内在住の個人またはグループ
- 応募費用
- 無料 ※ただし、通信費や提案の制作に伴う実費等は応募者負担
- 審査委員長
- 秋山 かおり プロダクトデザイナー / STUDIO BYCOLOR
- 審査委員
- 谷口 靖太郎 デザインエンジニア
日髙 一樹 特定訴訟代理人・弁理士、デザインストラテジスト / 日高国際特許事務所所長
坊垣 佳奈 株式会社マクアケ 共同創業者 / 顧問
宮崎 晃吉 建築家 / 株式会社HAGISO代表取締役
八木 彩 アートディレクター、クリエイティブディレクター / アレンス株式会社代表取締役
柳沼 周子 バイヤー / 株式会社エンファクトリー - 賞・賞金
- 最優秀賞(1点)賞金100万円(企業、デザイナーに50万円ずつ)
優秀賞(2点)賞金20万円(企業、デザイナーに10万円ずつ)
テーマ賞(1テーマにつき1点)
※審査の結果、該当なしとなる場合あり - 主催
- 東京都
- 企画・運営
- 公益財団法人日本デザイン振興会
- 詳細
- 2025年度「東京ビジネスデザインアワード」デザイン提案募集
9月17日(水)には、デザイナーを対象として、テーマ企業8社の担当者との質疑応答や技術・素材のサンプル展示など、直接コミュニケーションが取れる「コミュニケーションデー(説明会)」が開催。審査委員を務める八木彩(アートディレクター・クリエイティブディレクター/アレンス株式会社代表取締役)による講演も行われる。
気になる素材や技術に会える、効率的に話せる!
テーマ企業とのコミュニケーションデー
- 日時
- 2025年9月17日(水) 17:00~20:00
- 詳細
- デザイナー向け・テーマ企業とのコミュニケーションデー
また、応募を検討し、テーマの素材・技術についてより深く知りたいデザイナーを対象として、9月24日(水)から10月3日(金)までの期間に各企業の工場見学(会社訪問)が実施される。
テーマ企業への工場見学・会社訪問
- スケジュール
- 2025年9月24日(水)〜10月3日(金)
※実施日時はTBDA公式サイトで確認。予約状況は公式Facebookで通知。 - 詳細
- テーマ企業への工場見学・会社訪問 参加者募集中