NEWS | インテリア
2025.10.07 11:56
シンガポールを拠点にLED照明の革新を牽引するMAERICHは、建築事務所WOHAと協働し、新しい植物育成用照明システム「G-Spot Recessed Grow-Light」を発表した。自然光が一切届かない地下空間でも多層的な庭園を育むことが可能な照明として、持続可能な都市づくりとバイオフィリックデザインの新たな可能性を切り拓くものとして注目されている。
本システムは、従来の人工照明では実現が難しかった「ゼロサンライト環境」での植物育成を実現。地下や閉ざされた空間を豊かな緑で満たし、人と自然がどこでも共生できる未来像を描き出す。植物がもたらす空気浄化や心理的効果といったエコシステムサービスを、建築デザインに組み込める点も大きな特徴だ。
ゼロサンライト垂直庭園を照らすG-Spot Recessed Grow-Light。
従来の植物育成用ライトが放つピンクやマゼンタの光とは異なり、G-Spotは自然光に近いホワイトスペクトラムを再現。植物が光合成に必要な光を十分に吸収できる一方で、人間には柔らかで快適な照明環境をもたらす。
自然光に近い色を再現している。
さらに、長距離投射を可能にする光学設計や、40°カットオフによる眩しさの制御によって、高効率かつ省エネ性能を実現。地下空間をサステナブルな緑地へと転換するこのシステムは、エネルギー削減と環境負荷低減を両立し、建築における新しいデザインの選択肢を提示している。
すでにLIT Lighting Design Awards(農業照明部門)を受賞し、darc awards KIT(インテリア部門)など国際的評価も獲得している本システムは、単なる照明器具を超え、都市生活における自然との関係を再構築する「仕組み」として、今後の展開に大きな期待が寄せられている。