風呂文化の過去と未来を見つめて
日ポリ化工「FLOW/SCOPE」展、THE FLOWで開催

「FLOW/SCOPE」展示会場写真。映像作家・深尾映像研究室による映像インスタレーション「風呂的好奇心」(奥)と64枚のカードを並べて表現された「風呂の宇宙」。

ユニットバスメーカーの日ポリ化工が、大阪・中央区のTHE FLOWで企画展「FLOW/SCOPE」を開催している。 “風呂の過去を覗き込み、未来を展望する”というテーマのもと、日本における入浴文化の原点を見つめ直し、これからの「風呂」を再定義する。

展示グラフィック

「新しい風呂文化を創る」をビジョンに掲げる同社は、1962年の創業以来、FRP製ユニットバスの開発に始まり、高級ホテル向けの人工大理石パネルや高濃度炭酸泉装置「Cidre」など、入浴のあり方を拡張する製品を次々と生み出してきた。そのクリエイションの根底にあるのは、将来的には風呂を「心身を整えるメンテナンスドック」へと進化させようとする考えだ。

本展では、古代インダス文明やローマのテルマエ、そして江戸時代の五右衛門風呂まで、時代や地域を超えた風呂文化の系譜を辿るとともに、同社の研究と試作の精神を象徴するプロトタイプ「江戸湯舟」を初公開。18世紀に流行した木製の湯舟を、現代の素材技術で再構築したもので、古き良き情景を未来へとつなぐ試みとなっている。

同社が所蔵している風呂文化遺産「ユニットバス・2号機」

映像作家・深尾映像研究室による映像インスタレーション「風呂的好奇心」や、64枚のカードで構成された「風呂の宇宙」など、体験的な展示も見どころのひとつ。会場構成を日本デザインセンター、照明デザインをModuleXが担当するなど、異分野のクリエイターが多数参加し、風呂という身近なテーマを多層的に掘り下げている。

18世紀前半に流行した江戸湯舟に着想を得た現代の風呂リゾート構想のイメージ。

会場となるTHE FLOWは、企業やアーティスト、研究者など多様な人々が交差する「入浴文化の交差点」として設立された拠点。風呂をめぐる文化や技術を社会にひらき、次の100年に向けて新しい入浴体験のあり方をともに考える場である。本企画展は、湯に浸かるという行為の意味をあらためて見つめ直し、私たちの暮らしに潜む“風呂的好奇心”を呼び覚ますきっかけとなるだろう。End

企画展「FLOW/SCOPE」の展示会場マップ

FLOW/SCOPE #01 「風呂の過去を覗き込み、未来を展望する。」

会期
2025年11月11日(火) 〜 12月26日(金)
会場
THE FLOW
(大阪府大阪市中央区久太郎町 3−6−8 JRE御堂筋ダイワビル1階)
詳細
入場無料、事前予約制
※予約 https://the-flow.jp/exhibition/flow-scope-01/