ジャパン・ハウス・ロンドンで「百工のデザイン」展開催
日本各地の職人120組が紡ぐ、“日用の美”の現在

© ATELIER MUJI GINZA

外務省が展開する ジャパン・ハウス・ロンドン では、2026年5月10日(日)まで、企画展「Hyakkō:100+Makers from Japan 百工のデザイン」展を開催中だ。日本全国から120組を超える作り手が参加し、陶磁器、ガラス、木工、皮革、金属など、素材も表現も異なる約2,000点の工芸作品が一堂に会する。

同展は、無印良品を展開する株式会社良品計画による文化プロジェクト「Life in Art」の一環としてキュレーションされたもので、2023年にATELIER MUJI GINZA(東京・銀座)での展覧会を、ロンドン向けに再構成して開催されている。日常に根ざした美と機能性をあわせ持つ工芸に焦点を当て、日本各地の風土や文化、職人の営みに宿る「ものづくりの本質」を伝える。

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展示タイトルにある「百工のデザイン」は、“百も千も続く暮らしのためのものづくり”を象徴する言葉。伝統を受け継ぎながらも時代に合わせて進化し続ける、日本の職人たちの根源的な創造力を意味している。会場には、アーティスト、職人、独学の作家など多彩な作り手による器や花器、竹のカトラリー、銅製の鍋、編み籠などが並び、イギリスの来場者が日本の工芸の変遷と多様性を体感できる空間となっている。

また、制作風景やインタビュー映像を通じて、作品に込められた情熱や背景にも迫る。会期中は、トークセッションやデモンストレーション、ワークショップ、ギャラリーツアーなど、多角的に日用工芸の魅力を紹介するプログラムも実施。1階ショップでは、出展作家30名以上のアイテムも販売され、来場者は展示とともに“日本の手仕事”を持ち帰ることができる。

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ジャパン・ハウス ロンドン企画局長のサイモン・ライト氏は、「本展は、日本の作り手たちが古くからの美意識をいかに現代的に解釈しているかを伝える貴重な機会。すべての作品に、地域の歴史や文化、作り手の物語が息づいている」と語る。

同展は、2026~2027年にかけてロサンゼルス、サンパウロへと巡回予定。日本の多様な工芸文化の魅力をより広く世界に発信することが期待される。End

Hyakkō: 100+ Makers from Japan 百工のデザイン

会期
2025年12月3日(水)− 2026年5月10日(日)
月曜日~土曜日 10:00-20:00
日曜日・祝日 12:00-18:00
会場
ジャパン・ハウス ロンドン
(101-111 Kensington High Street, London, W8 5SA)
入場
無料