「アンビエンテ2026」世界最大級の消費財見本市が示す
暮らしの未来とデザインの現在

「Ambiente 2025」出展ブースの様子

2026年2月6日(金)から10日(火)まで、ドイツ・フランクフルトで開催される国際消費財見本市「アンビエンテ2026」。ダイニング、リビング、ギビングの3領域で構成される同見本市は、シーズナルデコレーションとフローリストの国際見本市「クリスマスワールド」とホビー・クラフト・DIY用品専門の国際見本市「クリエイティブワールド」が同時開催され、世界170カ国以上からバイヤー・出展者が集う。以下、2026の見どころを解説していく。

トレンド展示「Ambiente Trends 26+」

ドイツのデザインスタジオ「ボラ・ヘルケ・パルミザーノ」監修による特別展示「Ambiente Trends 26+」では、2026年の暮らしのあり方を3つのテーマで提示する。

「brave(勇敢さ)」は、レトロな魅力と予想外の素材の組み合わせで、刺激的で独創的な空間を創出。「light(軽やかさ)」は、透明感ある素材と繊細な色彩で、強さと優しさが共存する幻想的な空間を表現。「solid(確かさ)」は、モジュール式デザインと耐久性のある素材で、変化に対応できる普遍的な空間を提案する。各展示品には出展者名・ブース番号が表示され、会場全体を巡るためのインデックスとしても機能する。



アンビエンテ・デザイナー2026

「アンビエンテ・デザイナー2026」に選出されたのは、ウルグアイ出身でスペイン・バルセロナを拠点に活躍するインテリアデザイナー、カティ・シーベック(Katty Schiebeck)。木材や大理石などの温かみのある素材とミニマルなラインを組み合わせた洗練された空間デザインで知られ、アメリカの雑誌「アーキテクチュアル・ダイジェスト」では世界のトップ100デザイナーに複数回選出されている。香港、ドーハ、リスボンなどで国際的なプロジェクトを手がけ、カタール王室の新宮殿のインテリアデザインも担当した。フォトグラファーのルベン・オルティスと共に立ち上げたインスタグラム「Somewhere I Would Like To Live」は80万人以上のフォロワーを持つ。

特別展示「インテリアデザイン&アーキテクチャーハブ」では、ホスピタリティ空間をテーマとした没入型展示を展開。また、持続可能な建築素材の研究機関「ヘルシー・マテリアル・ラボ・ヨーロッパ」との協働展示「マテリアルエキシビジョン—自然に囲まれた食卓」では、食と素材、環境の関係性を問う。デザイナーや建築家の交流拠点「The Lounge」も設置され、出展製品を用いた空間演出でホスピタリティ空間の可能性を提示する。


The lounge 2025

サステナブルデザインと若手支援

アンビエンテは、10年以上にわたってサステナビリティに取り組んでおり、責任ある生産を重視した消費財を世界に発信する、国際的な商談の拠点となっている。出展者は、①環境に配慮した素材、②資源を大切にする製造プロセス、③公正な生産、④リサイクル・アップサイクルデザイン、⑤ハンドメイド製造、⑥持続可能なイノベーションの6つのカテゴリーで審査・認定されている。また、Hall 3とHall 10.1に設けられる「Ethical Style Spots」では、テーマごとの展示を通じて、サステナブルな製品の魅力がわかりやすく紹介されている。

新進デザイナーを支援する「タレンツ」は、2026年で25周年を迎える。四半世紀にわたり若手デザイナーの登竜門として機能してきた同プログラムでは、過去と現在のデザインを振り返る特別展示を開催。日本からはインテリア ライフスタイル東京の「Young Designer Award 2025」に選ばれたVITRO高橋良爾)が出展予定だ。

日本から70社以上が参加

今回も日本からは70社以上が参加し、そのうち11社が「ジャパンスタイル」として出展。16回目を迎える同プロジェクトは、日本の工芸技術と現代デザインを融合させた製品で国際的な評価を得ている。アッシュコンセプト、ディグラフト、東洋スチール、ノザワークス、人水、ケンエレファント、愛知ドビー、多田製作所、オールドアンドニュー、Musubi Lab、メッセフランクフルト ジャパンが参加予定。伝統工芸から現代プロダクトまで、日本独自の美意識を背景にした製品が欧州をはじめ世界のバイヤーの注目を集める。

「Ambiente 2025」出展ブースの様子

「Ambiente 2025」出展ブースの様子

ビジネス支援とデジタル展開

2026年の新プログラム「アンビエンテ・プロジェクト」では、家具・ホスピタリティ・デベロッパーなど異業種を横断したB2B2B商談の場を提供。「アーキテクチャー・ハブ」「インテリア・ルックス」などが連携し、設備導入や空間づくりに必要な情報を包括的に提供する。

デジタル面では、年間を通して3見本市を横断した商談が可能な新ツールを導入。マッチングアルゴリズムや出展者向け「LeadSuccess」など、デジタルとリアル双方からビジネスを支援する。

同時開催のクリスマスワールドでは「デコレーション・アンリミテッド」で”トロピカル・バウンティ”をテーマに五感に訴える演出を、クリエイティブワールドでは新設の「グラフィティ・ウォール」で都市型アートの潮流を示す。

クリスマスワールド2025

クリエイティブワールド2025

国際見本市としての規模に加え、デジタルで年間を通じて業界をつなぐプラットフォームとして進化するアンビエンテ2026。生活文化とデザイン、市場の潮流を読み解く場となる。

Ambiente 2026

会期
2026年2月6日(金)~2月10日(火)
9:00~18:00(最終日のみ17:00まで)
会場
ドイツ・フランクフルト国際見本市会場
(Ludwig-Erhard-Anlage 160327 Frankfurt am Main, Germany)
出展者数
4,660社 (2025年実績)
来場者数
147,684名 (2025年実績)
※クリスマスワールド・クリエイティブワールド との3見本市合計
英語サイト
https://ambiente.messefrankfurt.com/frankfurt/en.html
日本語サイト
https://www.jp.messefrankfurt.com/tokyo/ja/events/consumer-goods-outgoing/Ambiente.html
主催
Messe Frankfurt Exhibition GmbH
問い合わせ先
メッセフランクフルト ジャパン株式会社(Tel:03-3262-8444/Email:info@overseas-fairs.com)