NEWS | サイエンス / 展覧会
2025.05.22 12:41
山口情報芸術センター[YCAM]では、オーストラリアに拠点を置くバイオアーティストのオロン・カッツ、イオナット・ズール、スティーブ・ベリックによる新作展「ザ・メタボリック・リフト・プロジェクト」が、2025年10月11日(土)から2026年2月22日(日)まで開催される。
アーティスト・キュレーターのオロン・カッツ(Oron Catts)は、西オーストラリア大学(UWA)人間科学部に所属し、生命芸術の研究機関「SymbioticA:The Centre of Excellence in Biological Arts」の共同創設者兼ディレクターである。イオナット・ズール(Ionat Zurr)は、UWAデザイン学部の美術学科長を務めるとともに、SymbioticAのアカデミック・コーディネーターとしても活動している。
また、アーティストでエンジニアのスティーブ・ベリック(Steve Berrick)は、インタラクティブシステムのデザインに携わっており、観客の触覚を介して創造的プロセスを促進するパフォーマンスやインスタレーションを手がけてきた。
今回の展示では、自然要素を人工的な代替物に置き換える農業技術=アグテック(AgTech)を駆使し、食糧生産における持続可能な循環システムを考える「ザ・メタボリック・リフト・プロジェクト(Metabolic Rift Technology、MRT)」の成果を、実験型パフォーマンスおよびインスタレーション作品として発表する。
同プロジェクトは、食糧生産の過程においてテクノロジーが引き起こす自然との断絶に着目しており、アメリカの社会学者 ジョン・ベラミー・フォスターが提唱する「メタボリック・リフト理論」(資本主義が人間と自然の関係を断ち、生態危機をもたらすとする思想)をベースとしている。
展示は、「技術の進歩」「データ」「環境への影響」「新しい食のかたち」という4つのカテゴリーで構成。会場には、コンポストインキュベーター(ソーラーエネルギーと堆肥化に関する装置)、水耕栽培装置、アクアポニックス装置、発酵装置、アルカリおよび加水分解装置を並べ、それぞれの設備を循環させる実験をとおして、未来の科学に対する新たな視座を提示する。
オロン・カッツ+イオナット・ズール+スティーブ・ベリック新作展
「ザ・メタボリック・リフト・プロジェクト」
- 会期
- 2025年10月11日(土)〜2026年2月22日(日)
- イベント休止日
- 毎週火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日〜1月3日)
- 会場
- 山口情報芸術センター[YCAM](山口県山口市中園町7-7)
- 詳細
- https://www.ycam.jp/events/2025/the-metabolic-rift-project/