ミラノサローネ、キヤノンはNEOREAL

事情環境が急速に悪化するなか、今年はサローネへの出展を見送る企業も少なくないようです。しかし、キヤノンは昨年に引き続き自らのイノベーションを世界にアピールするため、意欲的な展示を準備をしていました。注目したいのは……

会場構成を手がける伊東事務所出身の平田晃久さんです。
舞台は、トリエンナーレ美術館(ここは、原 研哉さんが手がけるTOKYO FIBER展やエルメスの展示も行われる最注目スペース)の2階フロア。200m2におよぶスペースに、3次元曲線の構造物を使った映像空間を創出するというものです。

若手建築家の躍進が目覚ましい昨今、そのなかでも最も理論派といわれる平田さん。近著『animated』(グラフィック社)では、自然や生命に近い建築のかたちを、いくつかのキーワードを通じて解説しています。

サローネで披露される空間も、そうした創造性に溢れる理論から導き出されており、外形と内形がねじれながら連続交差する白いテントのようなものに、インタラクティブアーティストの松尾高弘さんによる映像が投写されるそうです。

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高い再現性による映像(=リアル)を通じて、新たな創造価値(=ネオ)を提示することが、サローネ出展の最大のミッションであると、デザインセンター所長を務める酒井正明さんは言っていました。

藤本壮介さんを起用したレクサスの展示共々、興味深い内容になることは間違いなさそうです。ミラノに行けない輩にとっては、凱旋展示を待つしかないかな。