乾漆による現代的な器展
「鎌田克慈 うるしのうつわ展」が六本木のサボア・ヴィーブルにて開催

六本木、AXISビル 3Fの「サボア・ヴィーブル」は、クラフトギャラリーを併設しているショップです。3月18日(木)までは「鎌田克慈 うるしのうつわ展」が催されています。

石川県在住の鎌田克慈さんは、東京出身。2000年に東北芸工大学を卒業後、自分が「一生続けたいと思える仕事」を求め、能登半島の輪島へ移住を決意。石川県立輪島漆芸研修所で塗師の赤木明豊氏のもと修行した後、2006年に漆芸作家として独立しました。

鎌田さんが手がけるのは、乾漆(かんしつ)による器。この技法、仏像などの彫像で耳にした方も多いのではないでしょうか。木でつくった型に麻布を貼り重ね、木製の高台を付け、薄い下地をした後に、漆を塗り重ねていきます。

最大の特徴はそのフォルム。木製の器とはひと味違った、乾漆器が持つ反りのラインや柔らかなエッジは、乾燥の過程を通じて生まれる表情です。

同じ素材でも、色の深さや艶の具合、パールのようなきらめきなどが微妙に異なる器たち。年月を経て色合いが変化していくほかにも、漆を塗った季節や温度、時間などが反映するのだと鎌田さんは語ります。

展示作品ではその他に、漆器では珍しい平皿やユニークな弁当箱なども。普段使いにできる漆器としてつくられた器は、鎌田さんの食卓ではそのままランチプレートなどに使うそうです。その美しい色とフォルムは、サボア・ヴィーブルのギャラリーでご覧ください。