「PVCの多様な使用事例/前編」

今年もこの4月から第2回の作品募集が開始される予定の「塩ビものづくりコンテスト PVC Design Award 2012」今回と次回はPVCの多様な使用事例を通して、PVCがいかに柔軟な素材であるかをレポートする。

上の写真は、ポーランド・ワルシャワを拠点とするデザイナー、Anna SiedleckaとRadek Achramowiczによるランプ「Super Star」。155個のPVCの透明球体の中にLEDを閉じ込めた。個々の光を、それぞれのPVCフィルムが反射・吸収することで、トータルで美しく、かつ不思議な光をつくり出している。直径1mという大きさながら、全重量はたったの6kg。これもPVCの特性を活かしたが故だ。

Photo by www.youlkadesign.fr, www.puff-buff.com

© Sacea

イタリアのサチア社の自立式パーティション・システム「Snake」。デザインは細江 勳氏。その名のとおり、蛇の蛇行のようにさまざまに形を変えて空間をつくり出していく。PVCのシリンダーを1本ずつ簡単につなげることができるため、長さを自由に調節でき、使わなときは丸めてコンパクトになる。PVCは透明度や微妙な色のさし方の調節によって、多様な演出が可能になる。

Photo by Marek Kaczmarczyk

サッカーのUEFA欧州選手権2012開催に向けて、拡張工事が行われたポーランド・ポズナンのサッカー専用競技場。1㎡当たり1,350gという軽いPVC素材の皮膜を使った、クッションのような白い屋根が周辺の再開発地区のシンボルとなっている。表面はUV加工とともに微生物処理を施すことで、汚れを防ぐとともに、耐久性を向上。夜のゲームでは、スタジアム内の光が皮膜を通して外に淡く漏れ出し、幻想的な風景をつくり出す。

PVCについての問い合わせは塩ビ工業・環境協会(VEC)まで。第2回の募集要項についても詳細決まり次第、同協会のサイトで発表される予定。

前回までの記事はこちら