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関康子 構成・編『倉俣史朗読本』

『倉俣史朗読本』
関 康子 構成・編(ADP 3,150円)

2011年に21_21 DESIGN SIGHTで開催された「倉俣史朗とエットレ・ソットサス」展の関連プログラムのなかから、特に倉俣史朗について語られたレクチャーやトークショーを再編集した1冊。三宅一生や磯崎 新、内田 繁ら、倉俣と仕事や時代をともにした面々だけでなく、倉俣を知らない世代まで、多彩な顔ぶれが倉俣と彼のデザインについて語り尽くす。

加えて、興味深いのは、倉俣が聞き手となった「柳宗理に聞く ワークショップの実践」や「倉俣史朗と雑誌『ドムス』のダイアローグ」など、生前の倉俣の対談やインタビューの再録。かつての倉俣の言葉と、現代の人々が語る倉俣、この両者を行き来することでこれからのデザインを再考するきっかけになるはずだ。496ページ。

以下、目次より;

一 倉俣史朗が生きた時代
・倉俣史朗とエットレ・ソットサスの仕事 藤塚光政・近藤康夫・榎本文夫
・ソットサスを生み、倉俣史朗を刺激したイタリアデザイン 佐藤和子
・倉俣史朗と雑誌「ドムス」のダイアローグ
・80年代はインテリアデザインの時代だった 内田繁・関康子
・柳宗理に聞く ワークショップの実践 聞き手 倉俣史朗
・ポスト・フェストゥム(祭りの後に)-エットレ/シローの1975年 磯崎新

二 倉俣史朗とゼロ年代
・磯崎新と語ろう!-倉俣史朗とエットレ・ソットサス 磯崎新・井上真吾・松原慈・溝口至亮・太刀川英輔・鈴木清巳
・倉俣デザインの未来を語る 五十嵐 淳・中山英之・岡田英造

三 倉俣史朗のものづくり
・倉俣史朗と格闘した職人たち 石丸隆夫・三保谷友彦・近藤康夫・五十嵐久枝
・人物登場13 倉俣史朗 異色のデザイナー

四 倉俣史朗の考え方と行動
・アート・インスパイア・デザイン 田中信太郎・保坂健二朗
・倉俣史朗の仕事と考え方 聞く人 高松次郎
・横尾忠則が見た倉俣史朗 横尾忠則
・占いによる倉俣史朗のすべて 横尾忠則
・ANOTHER KURAMTA/SOTTSASS DESIGN 三宅一生・関 康子
・倉俣史朗さんのことを描いてみます 黒田征太郎

後記 デザインで俳句を詠んだ人 関 康子