優れたリーダーは理念を明快に表現する
「ビジネスアーティスト」

「中台さんの言ってることは、すごく共感できて、いろんな人に言いたくて仕方ないんだけど、伝えづらいんだよね~。なんか、わかりやすい言葉とか、キーワード、肩書きないですかね……」。今まで言われ続けてきたセリフです。「じゃぁ、ナカダイさんのお仕事内容を30秒くらいでまとめていただいて、そのあと細かい話を伺いますね‼」という無茶ぶりでラジオ番組が始まったこともありました。簡潔にということがひじょうに大事です。最近、取材も多く受けるようになりました。暖かくなる3月には、企業の研修や工場ハック、地元の方たちの勉強会、子供会による工場見学会などなど、100名以上が来社されます。

話は変わりますが、ジム・ステンゲル氏(P&Gの元グローバル・マーケティング責任者)の『GROW』という本を読みました。ナカダイがリマーケティングビジネスと銘打ってビジネスを展開する中で、最近マーケティングを勉強しています。そこで出会った本です。同書には「ビジネスアーティスト」という言葉が出てきます。最も急速に成長を遂げているビジネスを動かすのは、ビジネスアーティストであり、優れたリーダーはビジネスの運営者である以上に、理念を主たる表現方法とするアーティストであると語っています。ただ、理念は“想い”から出てくるもので、“こうしたい‼”という“想い”がいちばんの力です。

さらに話は変わりますが、先日、表参道ヒルズでワークショップをやりました。地下2階にあるキッズの森という場所。子供向けのショップが集結している、ちょっと高級感漂う空間です。皆さん買い物ついでにスッと参加してきてくれます。上の2枚の写真、別の日です。いじっているものは廃棄物で、廃棄物が置かれていること自体に違和感ないのが驚きです。本来の目的とは違う使われ方で、そこにはあるべきではないのに、見事に溶け込んでしまっていることの不思議さ。前回ご紹介した福島 治さんの展示台もそうですが、場所が変わると、そこに置かれるものの価値や見え方が全く変わるということを感じました。ん? そういえば‼と思ったので、探しました。

仕事とは全く関係なく、個人で旅行に行ったときの写真です。フランスのベルサイユ宮殿です。私にはガラでもない場所ですが……。見たことがある方も多いかもしれません。この銀色のヒール、鍋と鍋のふたでつくられています。で、下の赤いほうは全部プラスチックのフォークです。あとで調べたら、企画展としてやっていたようですが、そんなことを知らない私は、すごく不思議な感覚にとらわれ、おこがましいですがナカダイっぽいと思いました。

この2つ以外にも、ヘリコプターやらいろいろありました。ただ、他にもたくさんあったのに、なぜかこの2つだけに親近感を覚えたのは、同じものが大量に使われているから、あるいは本来の使い方と違う使い方をしているから、いろいろあると思います。ナカダイに大量に入ってくるものにしても、こういう使われ方も1つだなと腕組みしながら仁王立ちで本気で思ったのを覚えています。

廃棄物とは、“自らが必要としなくなったもので、他人に有償で引き渡せないもの”だそうです。有償で引き渡せないものでもこんなに魅力的であるということ。その魅力的なものを世の中に供給すること。廃棄するまでの距離を長くすること。結果、“未来の子供たちに、美しい地球と資源を引き継ぎます。”というナカダイのビジョンにつながります。“ビジネスアーティスト”として、社員にも、皆さんにも認めていただけるように頑張ります。(文/中台澄之)

この連載は株式会社ナカダイ前橋支店支店長・中台澄之さんに産業廃棄物に関するさまざまな話題を提供していただきます。