獲れたての廃材や素材の情報を日々お伝えする
「裏ナカダイ劇場」

ナカダイの新しいウェブサイト「モノ:ファクトリー」のなかに「ナカダイ劇場」があります。日々のナカダイを伝えるコンテンツです。いちばん多いのは、こんなの入りました~!!という本日の獲れたて情報。トラックから降ろしたての素材を生々しくアップしています。現在、561種類。まぁ、よくもこんなにあるな~というくらいあります。すべてではないですが、一部を保管・販売をしています。そして、イベントなどの情報も速報ベースでアップしています。同時に、ナカダイのパワーをご覧いただける現場の様子をお伝えしています。今は、棚をつくってます。ぜひ見てください。何の棚か? もちろん、モノ:ファクトリーのための棚です。ナカダイには、たくさんの素材が入ってきます。その素材をデザイナーや建築家、アーティストに使用してもらって……と言ってますが、いちばん使うのは、そう 、われわれナカダイです。

さて、上の写真、何かをシャベルのようなものですくってます。徹底した分別と技術を駆使してもどうしてもリサイクルできないモノが全搬入量の数パーセントあります。そのうち、埋め立て処分になるモノを業者のダンプに積んでいるところです。

この写真の壁。自作です。鉄板を溶接し、H鋼をコンクリにアンカーで打ち込み、壁を固定します。大きさは物量によって変えられないと不便で仕方ないのでつくりました。そして、このシャベル。フォークリフトの爪に自分で取り付け、取り外しができるようになっています。この作業が終わったら、シャベルを取り外して、通常のフォークリフトとしてパレットなどの積み降ろしをます。もちろん、これも自作。シャベルの大きさもいくつかあります。

これはサーマルリサイクルという燃料をつくる設備です。マテリアルリサイクル(第2回参照)ができないモノ、汚れてしまったモノ、異物がついているプラスチック、紙として再利用できないシールの台紙なども燃料としてリサイクルすることができます。その燃料の製造ラインです。

機械は買います。さすがにつくれません。が、階段や手すりは自作、コンベアは廃棄で出たものにゴムを張り替え、集塵機も廃棄で出たものを修理して、機械の中が見えるように鏡も取り付けました。機械を買ったら、作業効率が最もよく、最も安全になるように自分たちで配置を考え、組み上げていきます。

白いコンテナが並んでます。なかにはサーマルリサイクルになるプラスチックや紙やらが入っています。鉄の箱に入った木くずを破砕したモノも見えます。この鉄の箱も自作です。これにフォークリフトの爪を挿して回転させれば、機械の中に木くずを投入できます。白い容器はすべて廃棄物です。鉄枠に白いポリタンクが組み込まれているのですが、このなかには、シャンプーの原液が入っていました。イギリスから船で原液が輸入され、工場で中身を抜いて、容器が廃棄されます。月平均40個。なので、ナカダイの工場は廃棄物を扱っているのに、常にシャンプーの良い香りがなんとな~く漂っています。

ナカダイには女性が多いのです。もちろん女性も重機を扱います。フォークリフトも乗ります。ナカダイに入社して必要な資格はフォークリフトの免許です。フォークリフトを自由に操れると、男女の体格差はあまり関係なくなります。ナカダイの社員は41名。現場で8人、営業・事務所で8人の計16名、39%が女性。営業もフォークリフトは必須。お客さんから引き取った廃棄物を自ら荷降ろしし、ご提案した通りに分別ができているか、容器などに不具合はないかなど、自分でやってみなければ、お客さんの不便さはわかりません。

きれいなマテリアルや新しいビジネスコンセプトの話が先行しがちなのですが、この地道な作業とそれを支える処理を安全かつ効率的に行うための知恵と技術、そしてなにより、それらのほとんどを自作のツールで、しかも、ナカダイマテリアルで実践してやりきっていくこのカルチャーこそ、われわれのいちばんの強みです。それがあるからこそのモノ:ファクトリー。

今年はいろいろお世話になりました。来年は、いよいよモノ:ファクトリー、オープンです。ナカダイ劇場、お見逃しなく!!(文/中台澄之)

この連載は株式会社ナカダイ前橋支店支店長・中台澄之さんに産業廃棄物に関するさまざまな話題を提供していただきます。