なぜ企業の決算の時期は廃棄物が増えるのか?

9月になりました。食の秋です。さんまが並び始めました。そして、ナカダイの本決算の月です。同時に、ほとんどの企業が半期決算を迎えるということで、旬の素材が集まる季節です。

ナカダイの旬の季節のメインはやはり、3月本決算時。たくさんの企業が在庫調整します。大型トラックに満載された段ボールの在庫品。中身は全部新品ですが、処分されます。ナカダイでは、段ボールから全商品を取り出し、素材ごとの分別を行います。

そして、この時期は企業の人事異動に伴う引っ越しの季節でもあります。引っ越しに関連した梱包材や、これを機に古くなったソファーを……などの廃棄も増えます。世の中の動きがナカダイの工場に集約される月です。在庫処分品が多かったり、人事異動に伴う引っ越し廃棄物が多いということは企業業績が良い場合が多く、そういう場合は、設備の廃棄も多くなったりします。もちろん、逆もあります。

産業の空洞化と言われてますが、ここ数年、ナカダイに入ってくる設備系の廃棄物が激減したということは、ほとんど国内生産のための設備投資をしていないんだなと実感してます。

余談ですが、多くの旬の素材が運び込まれたナカダイの悩みは……、

ナカダイの前橋工場には、社長がこの工場を建てたときに植えた桜の木が会社を取りまいています。ひじょうにきれいです。が、4月一週目、これらに桜の花びらが散って積もります。廃棄物とは言え、品質を追求しているナカダイにとってはこの上なく問題です。法律上の処理期間も決められていますが、そんなことより、桜が散るまでに何とかしろ!!が口癖の季節です。

きれいな桜とその下に咲く黄色い菜の花。そのわきに積まれる大量の段ボールの山。毎年のナカダイの風景です。この三者の絶妙な色合いを見たい方、ぜひ、4月一週目にナカダイにお越しください。

そして、12月。年末に向けて大掃除です。この時期のモノは、本当にゴミです。リサイクルするのが困難なものも多いですが、廃棄物屋ですからそれが本業といえば本業でして、もちろん、文句も言わず、きれいに片づけさせていただきます。

この9月は、3月ほどではないですが小型の片づけが数多くあります。まぁ、小型と言っても、結構な量ですけどね。今年は、それに加えてナカダイのイベントが開催されます。

「第一回産廃サミット」。9月23日に多摩美術大学の上野毛校舎で13時~17時までです。ナカダイには、今年に入ってから、すでに200人を超えるデザイナー、建築家、アーティスト、学生などが工場見学に来ています。大手企業に勤めている人、フリーで活躍してる人、最近独立した人、立場は違っても、ナカダイの工場の匂い、音を体感し、なによりも自分たちが職業にしているモノづくりの最後を圧倒的な量で目の前に見せられた彼らは、大きな衝撃を受け、同時に多くの見たことのないマテリアルに昇天してます。

たくさんの賛同とたくさんの応援とたくさんのアイデアをいただきます。そこで私が思ったことは、みなさんのそんな知恵、独り占めにしちゃ、ダメだなと。1つずつは、小さいアイデアだったり小さい提案かもしれないけど、みんなで共有して、みんなで動けば、大きな活動になるのでは。

ということで、情報を公開しましょう、想いを共有した方たちを一堂に集めてみようと。イベント名は、「産廃サミット」です。また、総勢50組を超す方々に、それぞれの想いをナカダイのマテリアルを使った作品にぶつけてもらいます。皆さんもぜひ、ナカダイのマテリアルと彼らの想いのこもった作品を見に来てください。(文・写真/中台澄之)

この連載は株式会社ナカダイ前橋支店支店長・中台澄之さんに産業廃棄物に関するさまざまな話題を提供していただきます。