廃棄物業界にとっての旬な季節が到来
時代を映すナカダイの現場

何度も言いますが、3月、4月は廃棄物業界は期末という“旬”の季節になります。あまり良い意味ではないですが、普段とは違う仕事とマテリアルが入り込んでくる季節です。2008年のリーマンショックと時を同じくして始めたリマーケティングビジネスですが、やはりアベノミクスの効果か? まぁ多い。都心の再開発による移転は03年の六本木ヒルズ竣工時と同じかそれ以上とも言われ、耐震規制のための建替えや補強工事が大量に控え、さらに、消費税増税……。これだけ条件がそろえば、モノは動きます。今回は物件を2つご紹介します。

まずは、再開発に伴う移転・引越しです。第4回でも少し紹介しましたが、私たちはマテリアル・リバース・センター(MRC)と呼ぶ、中古オフィス家具をメインとしたオークション市場を運営しています。皆さんも、築地市場の競りはなにかで見たことがあると思いますが、魚がオフィス什器になったようなものです。私たちは、中古品として利用可能なものには、リサイクルの前にリユースをすることにしています。もちろん、売れた金額は経費を差し引いてお客さんに返します。環境にもよく、コストメリットもかなり出せるので、大型の移転時にはこれを利用する会社が多いのです。また、オフィスの引越しには、什器以外に、ファイル、書類、PC、傘?などいろいろなものが出てきます。あれらを、仕事をしながら、かつ引越し準備をしながら分別するのはかなりの労力を要します。ナカダイなら、すべてを引き受けてそれぞれ最適なリユース、リサイクル、さらにモノ:ファクトリーで別のものに生まれ変わらせるなど、さまざまな選択肢を用意し、モノの最適化を図ることができます。

その延長で、ホテルの中身を全部撤去するという仕事もあります。3月末で閉館のホテルの中身をナカダイで最適化していきます。ホテルの客室にあるものといえばは、布団やベット、テレビ、冷蔵庫、湯のみ、ポット……、さまざまです。しかし、客室はホテルのほんの一部であり、いちばん大変なのは厨房です。何百人もの食事をまかなう釜、むちゃくちゃ重いです。数えるのもいやになる皿。宴会時によくある一人用ちゃぶ台と一人用なべ。あれが数百個あるわけです。

オフィスの移転時より種類も物量も多いため、専門のチームを組みます。移転・引越しのプロに日通にも登場していただき、現地の近くの廃棄物業者にも声をかけます。海外のリユースルートも駆使します。ここで大事なのは、お客さんの環境負荷や手間、コストなどの最適化を図ることです。最適化の中でナカダイのモノ:ファクトリーとMRCも入れ込んでいきます。

ちなみに、この「温泉棟」表示、惚れたのでモノ:ファクトリーでいただきました。私たちは廃棄を自分たちで抱え込むことが目的ではありません。何をどこに流せば、いちばん生きるかが大事です。関係各社の協働がひじょうに大事で、言い方が稚拙ですが、本当に面白い仕事だと思います。とても多くの知識が求められます。モノ:ファクトリーでどう使うかも同じくチームだと思っています。ナカダイ単独ではなく、さまざまなクリエイターとのコラボが大事で、そこに実績の有無は関係ありません。お客さんの価値を最大化するための提案ができるチームとして動けるかが勝負です。皆さんもぜひチームに参加してください。第4回産廃サミットもありますので。

最後に、少し宣伝です。まず、4月開講の丸の内朝大学でクラスを持たせていただきます。社員以外にここまで話をするのは初めてです。5月10日にはバスで工場見学も行います。現場を見て、モノの流れがどうなっているか、そこから何を学ぶか。そして一緒に何を創り出していくか。なにより、なぜ朝大学にナカダイが登場したのか。月曜の朝7時15分に新丸ビルに来られる方、ぜひお申し込みください。

もう1つ、3月20日~5月7日まで、“ナカダイお台場工場” ダイバーシティ東京プラザで開催します。西麻布、京都に続き、2年越しの第3弾です。マテリアルライブラリーと商品の販売ももちろんやります。今回、ワークショップの運営については、ナカダイとドリフターズインターナショナルがコラボして展開します。チームとしての動きです。春休みですから、みなさん、遊びに来てください。

新年度の開始です。今年度もよろしくおねがいします!(文/中台澄之)

この連載は株式会社ナカダイ前橋支店支店長・中台澄之さんに産業廃棄物に関するさまざまな話題を提供していただきます。