2017年のトレンドを占う
「メゾン・エ・オブジェ」、デザイナー・オブ・ザ・イヤーが決定

2017年1月20日(金)〜24日(火)まで、パリ郊外のノール・ヴィルパント見本市会場で、毎年恒例のインテリアとデザイン関連の見本市「メゾン・エ・オブジェ」が開かれます。

メゾン・エ・オブジェ最大の特徴は、約13万㎡という広大な会場に(東京ビッグサイトは8万㎡)、約3,000社が集結。そのボリュームだけでなく、最新のデザイントレンドを提案、発信しつづけていることにあります。

▲ ピエール・シャルパン Pierre Charpin/1962年パリ生まれ。84年ブールジュの国立藝術大学を卒業し、90年代初めから家具やオブジェのデザインを手がける。デザインギャラリーミラノやギャラリークレオなどでリミテッドエディションを手がけるとともに、アレッシィ、ザノッタ、ヴェニーニ、サンルイ、リーン・ロゼといったさまざまなメーカーにデザインを提供。2015年には、ル・コルビュジエが設計したマルセイユの「ユニテ・ダビタシオン」を舞台にしたインスタレーション「アパルトマン50」で、5人目のデザイナーに選ばれ展示した http://www.pierrecharpin.com ©Morgane Le Gall


プロダクトデザインの分野から選ばれる1月展のデザイナー・オブ・ザ・イヤーは、フランス人デザイナーのピエール・シャルパン。アレッシィやヴェニーニ、サンルイといった数多くの著名ブランドと協働するとともに、パリのギャラリークレオでリミテッドエディションを手がけるなど、アーティスト、シノグラファーとしての肩書きも持つクリエイターです。

彼の名前から思い起こされるのは、「ジャパン・クリエイティブ」で制作したシリコーン素材のキャンドルホルダーとイノセンスホルダー。また、2015年には、ル・コルビュジエ設計のユニテ・ダビタシオンで、現存する50室を使ったインスタレーションを行う5人目のデザイナーに選ばれました。「独創的なシンプルさ、柔らかな曲線、ときにはっきりとした色彩の選択。クリーンで官能的、エレガントでありながら温かみを感じさせるといった、感情的な反応を呼び起こす作品」がデザイナー・オブ・ザ・イヤーに選ばれた理由です。

そんな彼の特別展をホール7で見ることができます。

▲ ピエール・シャルパンの作品より。写真上はギャラリークレオ「Torno Subito」(© Michel Bonvin)。下はメゾン・エルメス「Large Bowl」(© Julie Richoz)


また、「ライジング・タレント」のコーナーでは、英国のトム・ディクソン、ナイジェル・コーツ、イルゼ・クロフォード、ポール・スミス、ジェイ・オズガービー、ロス・ラブグローブといった6名のクリエイターがそれぞれ推薦する6組の若手たちが展示。スタジオ・スワインやセバスチャン・コックスをはじめとする新進気鋭のクリエイターたちにも注目が集まりそうです。

家具やインテリアの今を推し量り、デザインのこれからを予測する意味で、最新トレンドが集結するメゾン・エ・オブジェは目の離せない存在と言えそうです。

▲ ナイジェル・コーツ推薦のスタジオ・スワイン。「ライジング・タレント」の展示はホール7で開かれる 
Studio Swine ©Tom Cockram / Nigel Coates – photo by Kensington Leverne


メゾン・エ・オブジェ・パリ 1月展
会期:2017年1月20日(金)~ 24日(火)
会場:パリ・ノール・ヴィルパント見本市会場
主催:SAFI
詳細:http://www.maison-objet.com