第39回
「自社の自慢をする社員」

早くも3月末、ナカダイも旬の時期に入りました。企業の決算期を迎え、たくさんの廃棄物が搬入されています。そして、この1年でいちばん忙しい時期は、桜の季節です。何度かご紹介していますが、ナカダイの敷地境界には、現社長が工場として用地を購入した40年前から、業務を拡大するたびに桜の木を植え、今では本当に立派な桜に成長しています。川に面しているということもあり、土手に生える菜の花とのコントラストがきれいで、毎年、多くの県内外を問わず、たくさんの方が訪れます。 今年は、“こまがた桜まつり”と名前を変え、4月1日に開催します。1000人近くの方が集まるこのイベントは、ナカダイと地域の方たちとのとても大事なコミュニケーションと考えており、社員全員で、一日、おもてなしをします。 今回は、私が最近訪れた工場2社をご紹介したいと思います。両社とも、業種も規模も全く違いますが、本当に見習うところ、勉強になるところがたくさんありました。ちなみに、2社とも現在取引があるわけではありません。純粋にご紹介です。 1社目は、御殿場にあるリコー環境事業開発センターです。複写機やプリンターの生産を行っていた事業所を2013年に一時休止、2016年に、“環境関連事業を創出する拠点”として生まれ変わりました。 [創る]新規環境事業 、[続ける]リユース・リサイクルセンター、[魅せる]環境コミュニケーションを三本柱としています。ナカダイは少しだけですが、この拠点の構築の際に、アドバイスといいますか、私たちの運営を紹介させていただきました。そして、ナカダイ社員、社長含め21名、全社員の半分で押しかけました。残りの社員も、今後、全員連れて行く予定です。ここで紹介するくらいですから、端的に言えば素晴らしいということです。 メンテナンスを経た複合機のリユース機は、ここまでやれば、そりゃ、新品と同じ保証を付けるなと頷ける工程、ナカダイでも頭の下がる(上から目線じゃないです)解体の精度と分別の種類、そして、リコーの既存技術を活かした次世代環境ビジネスとして、ドローンや自動運転、植物栽培など、すべて公開されていました。オープンイノベーションと彼らは呼び、この技術を使って新しいサービスがつくれるのであれば、一緒にやりましょう!と呼びかけています。環境を手段ではなく、ビジネスの軸として拠点を構え、事業の構築にチャレンジし、公開するという一連の手法の中に、環境ビジネスに向き合うただならぬ気合とひたむきさを感じることができます。 次は、富山にあるYKKセンターパークです。北陸新幹線が開通し、群馬からは1時間半で到着する便利な場所になりました。予約なしで入れるカフェ、資料館のある“産業観光ゾーン”と、予約が必要な“ビジネスゾーン”があります。写真がNGだったので、外見だけです。創業者である吉田忠雄氏の経営理念や人生についてもかなりのスペースを割いて展示されています。こちらも、もちろん、素晴らしいという言葉でしかないのですが、いちばんの驚きは、地域との密着度。ここは、YKKが共存する街でした。観光地として迎え入れる、地域の人の憩いの場を提供する、地域の雇用を創出する、ビジネスとして稼ぐ。たくさんのYKKの顔が見られます。私たちが訪れたのは平日の昼ですが、多くの人がいました。企業の存在意義を現実として見せられた気がしました。企業が生活の一部として存在している富山のこの社会こそ、あるべき姿なのかもしれません。 この2社、案内する方が“案内のプロ”ではなく、ただのと言ったら失礼ですが、社員で、その社員から、“自社の誇り”を感じました。私は、仕事柄、たくさんの工場に行きます。それぞれの方は、ひじょうに熱心に説明をしてくれます。しかし、こんなに楽しんで、自社自慢をする社員はあまりいませんでした。自分の仕事を見てほしい、知ってほしいという気持ちがなければこうはなりません。私たちは、普段から工場見学をしています。バスツアー開催します。案内するのは社員です。みんな、あんな感じで自慢しているか? 誇りを持って働けているか? 社員こそ、会社の顔です。彼らの表情が、地域との共生と取引先との商談、ビジネスを成功させます。自分も、自社のファンなのだと思います。 自社を広く公開することは、企業の成長には欠かせないのかもしれません。本当に、本当に感動した2社でした。ぜひ、1度訪れてみてください。(文/株式会社ナカダイ 中台澄之)

 

この連載は株式会社ナカダイ常務取締役・中台澄之さんに産業廃棄物に関するさまざまな話題を提供していただきます。 前回までの連載はこちら