「LIVING & DESIGN 2017」出展企業インタビュー
テキスタイルデザインが変えるインテリア トークインターナショナル

▲膨大な種類のテキスタイルデザインを扱うトークインターナショナル。届いたばかりのデザインを見せてくれた。

これからの住まいと暮らしを提唱する大阪発の国際見本市「LIVING & DESIGN」は2009年からスタートし、今年で9年目を迎える。今年は10月11日(水)〜13日(金)の3日間で開催される。これまでも出展者×来場者、出展者×出展者のつながりによる商談成立の割合の高さを核に、住空間・リノベーション・インテリア産業の拡大の一翼を担ってきた。

2017年は「MATCHING-つながる、新たな可能性-」をテーマに変容する住まいのあり方や人やものとのつながりに注目。アクシス編集部では開催に先駆けて出展企業に取材。第1回は海外のテキスタイルデザインやサーフェスデザインを取り扱うトークインターナショナル(大阪市)代表取締役の多留寛成さんにLIVING & DESIGN 2017への出展の意気込みや事業の可能性について語ってもらった。

▲トークインターナショナル 代表の多留寛成さん。

ーー主力の事業について教えていただけますか。

テキスタイルデザインの輸入販売です。主にはヨーロッパで、イギリス・フランス・イタリアからの輸入が多いですね。それ以外にも北欧、ドイツ、イスラエルなど。ちょうど昨日、イスラエルから新しいデザインが届いたばかりです。

ーー月に1,000以上の新作が世界中から届くとのことですが。

実はあまりに多いので数えておらず、それ以上かもしれません。提携するデザイナーも増えているので毎週新しいデザインが届きます。

ーーデザイナーとのネットワークはどのように広がったのですか。

僕は2代目なんですけど、会社は38年前に設立、創業者が最初に所属していた会社が戦後に海外の雑誌・書籍の輸入販売を始め、「VOGUE(ヴォーグ)」などの洋雑誌を扱っていたんです。今のように海外旅行などにもいかない時代だったので海外の書籍は貴重だったうえに、同じような事業をしている会社はなかった。繊維産業が大きな力を持っていた時代だったので、海外のファッション雑誌はとても需要がありました。

その当時から書籍と並行してデザインも輸入していたんです。最初に取引をしたのはイタリアのデザインスタジオで、そこからデザイナーが独立していくたびに取引先が増え、今のようなネットワークができ上がっていました。

ドイツで開催されるテキスタイルの国際見本市「ハイムテキスタイル」のデザインブースは出展企業の1割ほどが取引先なので毎回訪れて、日本からのお客様をアテンドしています。そこでお客様の要望に合うデザインや、最新のトレンドを直接紹介しています。

ーー販売しているテキスタイルデザインは最終的にどういった商品になるのでしょうか。

クッションやカーテン、カーペットなどのテキスタイルが多いですが、例えば壁紙や服に使われることもあります。何よりもうちはデザインを版権ごと販売しているので、重宝されていますね。商材に合わせたカラーや構図の変更、図柄の加工など、カスタマイズも可能なんです。

「ここをこの色に変えられないか」などの要望があったときにも対応できるので、コントラクト向けの物件を手がけるインテリアデザイナーやディベロッパーにも重宝されていると感じます。

ーー内装におけるテキスタイルデザインの需要が年々高まっているように感じます。

そうですね、過去のLIVING & DESIGNで出会った建材メーカーとコントラクトの物件で取引が始まったりだとか、いわゆるテキスタイル以外の分野にニーズの広がりを感じています。急増しているホテルの建設に合わせた需要を期待していて、ホテルだからこそ大胆に取り入れられるデザインの提案に力を入れていきたいと思っています。

最近では個人住宅でも壁紙に対する認識は大きく変わってきていて、気軽に自分で貼ってはがせるアクセント壁紙などが登場しています。インクジェットの技術の進化で表現できるデザインの幅がぐっと広がっているので、より面白く、身近になっていくと思います。

ーー他にテキスタイルの可能性を感じている分野はありますか。

家電のデザインにテキスタイルデザインが取り入れられたらいいなと。現状は多くの家電が色や質感のみのバリエーションにとどまっていますが、海外では花のシルエットを取り入れた家電なども見られる。日本の家電にもテキスタイルデザインが受け入れられたら、インテリアとしての家電はより面白くなると思います。

▲昨年出展時のブースの様子。豊富なデザインのバリエーションに触れることができる。

ーーLIVING & DESIGNには3回目の出展です。どこに魅力を感じられていますか。

やはり住空間にまつわる幅広い業種の方と知り合えることですね。私たちのやっているテキスタイルデザインの販売は、「テキスタイルデザインを使ってどういったことができるのか」があまり知られていないため、会場ではデザインサンプルを見て「これは何?どう使うの?」と質問されることも多いです。ただ、既存の取引先以外の企業に私たちの事業や、海外のデザインを知ってもらえるいい機会なので、こちらも一生懸命ご紹介しています。出展を機に広げていきたいですね。

ーーぜひ今回も海外のテキスタイルデザインと日本をつないでいただきたいです。ありがとうございました。(インタビュー・文/編集部・松渕彩子)End

LIVING & DESIGN 2017 開催概要

会期
2017年10月11日(水)〜13日(金)3日間
時間
10:00-18:00(最終日は17:00まで)
会場
大阪南港ATCホール(大阪市住之江区南港北2-1-10)
入場料
1,000円
公式HP
http://www.living-and-design.com
主催
LIVING & DESIGN 実行委員会
問い合わせ
LIVING & DESIGN 実行委員会事務局
info@living-and-design.com