ドローンでの配送がいよいよ個人にピンポイント化。
テストを続ける新システム
「デリブエア」

航空法の規制により、ホビー用のドローンの小型化が進み、用途がセルフィーやレースなどに特化しつつあるのに対し、本格的なフルサイズの産業用ドローンは建造物の点検や配送などの分野ですでに実用化、あるいは商業運用に向けての実証実験が繰り返されている。

特に、ドローンの空輸能力に着目したデザイン開発企業のケンブリッジ・コンサルタンツは、それが最大限に活用されるのは、配送先が自宅や集配所ではなく、モバイル状態にある個人ではないかと考え、ピンポイントで品物を届けるためのプロトタイプシステムをつくり上げた。

使用例としては、遠出した自転車がパンクや故障をして予備のパーツが必要な場面や、トレッキング中に怪我などをして救援隊が到着するまでの当座の食料や医療品などが必要な遭難者の周囲に、着陸に適した平地がないような場合が想定されている。

暫定的に「デリブエア」(配達するの意味のデリバーとエアを組み合わせた造語)と呼ばれるこのシステムは、スマートフォンのアプリと小型のウィンチを搭載した専用ドローンの組み合わせで構成される。単なる投下では内容物の破損がする可能性があり、パラシュートなどを併用するとピンポイントで届けることが難しくなるためだ。


荷物の受け取りでは、まず、アプリで発注を行い、その際におおまかな位置情報がGPSデータを使ってセンターに送られる。品物は、脱着式のワイヤーによってウィンチで巻き上げられてドローンに搭載され、目的地に向かう。

そして、最終的なピンポイント位置と受取人の認証がこのシステムのキーポイントとなるが、これはスマートフォンのフラッシュを独自のパターンで点滅させ、それをドローンに搭載されたカメラによって捕捉することで実現されている。


荷物は、上空からウィンチによって降ろされ、降下中もフラッシュの点滅をとらえたドローンがリアルタイムで微妙な位置補正を行うため、受取人の手のひらの上にまさにピンポイントで届けることが可能となる。

デリブエアは、都会などの人口密集地で運用するのは現実的でないと思われるが、逆に人里離れた場所に急を要する物品を届けるには理想的なシステムと言える。それなりの時間や距離を飛べるようにするには、まだ一層の技術開発が求められるものの、特定用途では、こうしたデリバリー方式が当たり前になっていく可能性は十分にあるだろう。End