MITとマサチューセッツ総合病院が乳がんリスクの評価モデルを開発
アメリカ全土での乳腺濃度評価の信頼性向上へ

MITマサチューセッツ総合病院の研究者は、乳がん独特のリスク因子である高濃度乳腺(デンスブレスト)組織を、専門の放射線科医と同じようにマンモグラムで自動評価するモデルを開発したと発表した。

研究者たちによれば、この種のディープラーニング・モデルの使用が実際の患者に対して診療所で成功したのは初めてのことだそうで、広範な実施を通じて、このモデルがアメリカ全土の乳腺濃度評価の信頼性を高めることを期待している。

アメリカの女性の40%以上が高濃度乳腺組織を持っていると考えられており、それだけで乳がんリスクが高まるとされる。さらに、この高濃度組織がマンモグラムでがんを隠してしまい、健診をより難しいものにしている。それゆえ、全米30州では、マンモグラムで高濃度乳腺が発見された場合には、女性に通知することが義務づけられている。

▲訓練とテストにより、このモデルはマンモグラムの特徴をマッピングすることを学習。専門家の正確な濃度評価と合わせて、脂肪質、散在、不均質、高濃度の4つのカテゴリーで評価

しかし、乳腺濃度評価は人間の主観的な評価に依存しており、多くの要因から、検査結果は放射線技師によって時には大幅に異なるという。両機関の研究者は、数万種類の高品質デジタルマンモグラムからディープラーニング・モデルを構築、専門家の評価にもとづいて、「脂肪質」から「極めて高濃度」までのさまざまなタイプの乳腺組織を区別することを学習している。

このモデルによる新しいマンモグラムができあがれば、専門家の意見と結びつけて濃度測定値を特定できるようになるだろう。End