TIME誌とアーティスト・JRが共同プロジェクト
「GUNS IN AMERICA」を発表
アメリカの銃問題を正面から見据える

アメリカのニュース雑誌「TIME」2018年11月5日号の表紙は、パリ出身のアーティストで写真家のJR(ジェイアール)が手がけている。タイトルは「GUNS IN AMERICA」。

アメリカの銃問題は長く議論されている。3億2500万人の人口に対して2億6500万丁以上の銃が存在し、年間3万5000人の犠牲者が出ているが、その一方で227年前に制定された憲法で銃所持が権利として認められており、まだなお解決の道筋は見えていないのが実情だ。

今回のTIMEとJRのプロジェクトは、銃の影響が強いダラス、セントルイス、ワシントンDCの3都市で住民にインタビューを敢行。彼らの意見を共有し、体験を書き記すことで共通の場を探るものだ。

ハンターや活動家、教師や警官、父兄や子どもたち、245人の動画や写真を撮影し、複雑な状況下にあるコミュニティを壁画風に構成。銃所持の賛否はともかく、彼らの意見は生きた経験に根ざしており、国全体を巻き込む議論ではなくてはならない誠実さと敬意を示している。

TIMEのサイトにあるこの壁画では、銃を手にする者、プラカードを掲げる者、ロウソクをかざす者など様々。アメリカ合衆国建国の父から続く議論の精神を示すだけでなく、共有された積極的な感覚から生じる一体感も表現。

同サイトでは、壁画に登場する全員がクリック可能で、彼らが語る肉声を聞くことができる。End