地球の表面を高解像度で撮影する
欧州宇宙機関の小型衛星「Proba-V」

2013年5月7日に打ち上げられた欧州宇宙機関(ESA)の小型衛星「Proba-V」、2日ごとに地球全体の地表面の状態や植物の成長を高解像度でマッピングするというミッションに取り組んでいる。

今回ESAが公開したのは、Proba-Vがとらえたカザフスタンとウズベキスタンにまたがるアラル海の画像。この塩湖は、かつては世界第4位の湖沼面積を誇る湖だった。しかし、世界でもっとも過酷な環境破壊により小さな湖に縮小・分割され、地球上で最も新しいアラルクム砂漠が出現した。

ソビエトの灌漑プロジェクトにより川からの水の供給ルートがそれてしまい、1960年代以降は面積を劇的に縮小、2000年代までに元の湖の約10%になり、2014年までに馬蹄形の南部の湖はほぼ干上がってしまった。

砂嵐を減らすために強い植物を植え直すなど、状況を悪化させない努力が続けられている。2005年には、締め切り堤防のコカラル堤防が北東部の湖で水位の回復に成功。さらに、南湖を再び満たすために水門を定期的に開けているそうだ。

この画像はProba-Vから2018年6月15日に撮影されたもので、ベルギーにあるVITO Remote Sensingがデータ処理を行い、世界中に配信している。オンライン画像ギャラリーでは、アラル海の面積が徐々に回復していく姿が見られることだろう。End