細い血管も通過できる
スイスの2大学が共同でミクロな弾性ロボットを開発

▲© 2019 EPFL/ ETHZ

スイス連邦工科大学ローザンヌ校チューリッヒ工科大学の研究者チームは、周囲の状況に応じて形を変えることができる、非常に小さな弾性ロボットを開発したと発表した。

このロボットはバクテリアをモデルとしたもので、完全に生体適合性があり、人体の届きにくい部位に到達できるように動きを最適化。標的を絞った薬物体内配達に革命を起こせるのではないかと期待されている。

この装置は必要に応じて体液のなかを泳いだり形状を変えたりできるので、スピードや操作性が失われることなく細い血管や複雑な組織を通過できるとしている。電磁場に応答して制御可能な磁性ナノ粒子を含有する、「ナノコンポジットハイドロゲル」という素材でできている。

ロボットといえば、私たちはふつう複雑な電子システム、センサー、バッテリー、アクチュエーターを搭載した大きな機械を想像しがちだ。だが、ミクロレベルのロボットはまったく異なるそうだ。

こうした面倒な装置を使わず、最大限のパフォーマンスができるように、変形を事前にプログラムしておけば、ロボットは電磁場で制御することも、体液の流れを利用して穴のなかを通って自分で移動することも可能。動画でも自動でもっとも効率のよい形に変わる姿を見てみよう。End