ロンドンの住宅不足の打開を図る国際建築コンペ
「LONDON AFFORDABLE HOUSING CHALLENGE」の受賞案が発表

▲「Beyond The Shell」

ロンドン市長の公式サイトによると、現在のロンドン中心部の平均的な家賃は、シェアアパートで月650ポンド(約93,000円)、ワンルームで月950ポンド(約136,000円)、寝室1部屋付きのアパートメントで月1300ポンド(約186,000円)を超えるそうだ。

この状況を打開できないかと、建築家やデザイナーに向けて、ロンドンで手頃な価格の住宅を提案する国際建築コンペ「LONDON AFFORDABLE HOUSING CHALLENGE」が開催された。

優勝したのは、イギリスのLianjie Wuの設計案「Beyond The Shell」。自由に形成できる3Dプリントの特長を生かした、居住者とともに成長・形成する手頃な価格の集合住宅のデザインで、一般的なグリッドの構造フレームがベースになり、そこに無限の曲線デザインを描くことで、空間をローコストでつくり出せるという提案だ。

準優勝は、イタリアのMassimo Bricocoli、Gennaro Postiglione、Stefania Sabatinelli、Nicola Sirugoの4名による「Re.Co.De: Redesigning Contemporary Dwelling」。典型的なロンドンの住宅街のインテリアレイアウトを再編し、共生・同居といった密度を高めることによって大きな住民グループを形成、建物全体を効率化させようとする提案だ。

▲「Re.Co.De: Redesigning Contemporary Dwelling」

第3位は、デンマークのMedina DzonlicとDaniel Anderssonによる、モダニズムの原則にしたがってソーシャルハウスの新しい建築を目指した設計案「Informal Intimacy」だ。

シンプルかつ質素なデザインで、居住者の幅広いアイデンティティに対応できるように、空間的な組み合わせの幅を持たせて、柔軟性を提供するとしている。その他受賞作品も公式ページに公開されている。是非チェックしてみよう。End