中国・深圳に完成した「竜崗文化センター」
プログラムごとにボリュームを分割したデザイン

1980年に経済特区に指定されて以来急速な成長を遂げた中国・深圳。人口は1,200万人を超え、高層ビルが街のスカイラインを一変させたが、同市東部の竜崗区に完成した「竜崗文化センター(Longgang Cultural Centre)」は、都市をつなぐ象徴的な建築としてその施設内で豊かで多様な文化プログラムを提供するものだ。

設定を担当したのは、オランダの Mecanoo architecten。3.8ヘクタール(38,000平米)の敷地は高さ制限が厳しい長方形だが、プログラムごとにボリュームを分割することで、周囲のエリアと接続できるようになった。建物間の通路を通れば、西側の新しいビジネス地区や東側の公園へのアクセスも可能。

すべて曲線的なエッジと傾斜したファサードで構成されており、ダイナミックな景色を形成。天候に左右されない公共の広場を確保しながら、自然に歩行者の流れを導いてくれる。

このセンターには、美術館、ユースセンター、サイエンスセンター、ブックモール(book mall)の4つの主要なプログラムを収容。サイエンスセンターでは、子どもと若い大人向けのポピュラーサイエンスを披露、その隣のユースセンターでは、音楽やスポーツなどの集会や課外活動ができる。

美術館は、上層階のパブリックアートと、1階と地下にある都市計画センターを組み合わせたもの。屋根付き広場に文化センターへのエントランスを設けることで、さまざまな文化プログラムを屋外で展開。最も広いエリアに入居するブックモールは、本のサイン会や出版イベントや展示会などの本関連のイベント専用のモールとなっている。End