アムステルダムのデザインユニット Studio Drift
北欧で初の個展「Studio Drift: Elemental」を開催

Ralph NautaとLonneke Gordijnが2007年にアムステルダムで立ち上げたデザインユニット Studio Driftは、フィンランド・ヘルシンキの美術館 Amos Rexにて、北欧で初となる個展「Studio Drift: Elemental」を2019年5月19日(日)まで開催している。

同展では、映画、彫刻、インスタレーションを通じて、生きとし生けるものが活動するための基本的な前提を探るそうだ。それは、個々のものはより大きな文脈に結びついており、そうしたより複雑なシステムの一部にならないと意味がないということだ。

そこで人間は、進化し、夢を実現し、より明るい未来を創造し、より身近なレベルでは結びつきを得るために、状況をコントロールするシステムや技術を作り出してきた。

目玉となる展示は、未知の目的地に向かって静かに漂う、ユートピア的なビジョンを示す5×2.5×2.5mのモノリス「Drifter」だ。トマス・モアの「ユートピア」(1516)が重要なインスピレーション源だという。

モアと同じく、現在の状況に疑問を投げかけて未来を想像することで、革新を促し、世界を変えられるというのが彼らの主張である。「Drifter」は、地上では大きくて重く硬いものだが、空中に浮上するとより自然なものとして、重力から解放され、他の生き物と同じように動くことができるのだ。

会期中はこれ並行してルネ・マグリットの展覧会も開催中とのこと。同館のキュレーター Itha O’Neillは、この2つの展覧会が「夢と創造力が社会の再生と自己の認識の潜在的な源泉である」点で共通していると指摘している。End