鳥の群れをモチーフに集団と個人のバランスを問う
Studio DRIFTのインスタレーション「Flylight」

▲Flylight, Glasstress 2015 Gotika, Venice Biennale | Photo by Juuke Schoorl

米サンフランシスコにあるCarpenters Workshop Galleryでは、アートユニット Studio DRIFTの個展「About Nature, Technology and Humankind」が2020年1月17日(金)から4月30日(木)まで開催される。

人間が住む環境に人間を再接続させるために、自然界のベースにあるメカニズムから学ぶことを目指す同展では、Studio DRIFTが最先端のテクノロジーを活用しながら既存の自然現象を再現した作品が披露される。

▲Flylight, public commission High Tech Campus Eindhoven (NL)

▲Flylight, private commission Moscow

なかでも照明インスタレーション「Flylight」は、ムクドリの群れの行動を再現した作品で、人間どうしの衝突、集団でいることの安全性、さらには個人の自由を表現しているという。

鳥は自由のシンボルだが、群れになれば見事なパターンを描く集団として飛び回る。「自己組織化」されたこの群れでは、1羽の鳥が先頭に立って飛ぶことはない。つまり、それぞれが周囲の速さや方向性を感じとって行動しているのだ。

▲Flylight, PAD Paris

▲Flylight, PAD Paris

この自然現象を、作品のために開発したエージェントベースのソフトウェアへと落とし込んだ。繊細なガラス管は予測不可能な点滅をするそうで、外部からの刺激にも反応することがある。点滅するパターンは事前にプログラムされたものではなく、鳥の群れのようにインタラクティブである。

▲CODED NATURE at Stedelijk Museum, Amsterdam – Photo: Ronald Smits

▲CODED NATURE at Stedelijk Museum, Amsterdam – Photo: Ronald Smits

しかし、私たちは集団に入れば安全を確保できるが、社会のルールに従って行動することを余儀なくされる。そして、個人の自由を選べば、社会の外で生きることを強いられる。「Flylight」はその完璧なバランスのありかを問うための作品だ。End

Studio DRIFT個展
「About Nature, Technology and Humankind」

会期
2020年1月17日(金)~4月30日(木)
会場
Carpenters Workshop Gallery
詳細
https://www.carpentersworkshopgallery.com/artists/studio-drift/works/