世界最古のオペラ作品のためにつくった
Studio Driftによるキネティックアート作品「Ego」

▲Ego, L’Orfeo 2020, Wilmink Theater Enschede (NL) | Photo by Marco Borggreve

世界最古のオペラ作品は、イタリアの作曲家 クラウディオ・モンテヴェルディによる「オルフェオ(L’Orfeo)」で、1608年ごろに初演されたという。

この作品を現代的に解釈したものがMonique Wagemakers演出・Nanine Linning振り付けで上演されるそうだ。この作品では、オランダのアーティストデュオ Studio Driftも参加しており、このオペラのために作った「Ego」というキネティックアート作品を披露した。

▲Ego, L’Orfeo 2020, Wilmink Theater Enschede (NL) | Photo by Marco Borggreve

「Ego」は、16kmにもおよぶ日本製の反射性フルオロカーボンの糸を織りあげた、大きな箱型の作品。大きさは9 x 4.5 x 4.5mで、このサイズの作品を織るために独自の織機を開発。舞台上での演技のあいだ、アルゴリズムとソフトウェアを使ってリアルタイムでこのブロックを操作し、ダンサーや歌手の動きにぴったりと連動するそうだ。

▲Ego, L’Orfeo 2020, Wilmink Theater Enschede (NL) | Photo by Marco Borggreve

この作品は形状や状態を変えることができるので、主人公の移ろいゆく視点を描写することが可能。Studio Driftを率いるLonneke Gordijnによれば、この「Ego」は人間、とくにこの作品ではオルフェウスの内なる世界や視点を表現するものだという。一見するとしっかりした構造物のようでもあるが、脆さをあわせ持ってもいる。 最先端の技術により、最古のオペラの21世紀版ができあがったのである。End

▲Ego, L’Orfeo 2020, Wilmink Theater Enschede (NL) | Photo by Marco Borggreve

▲Ego, L’Orfeo 2020, Wilmink Theater Enschede (NL) | Photo by Marco Borggreve

▲Ego, L’Orfeo 2020, Wilmink Theater Enschede (NL) | Photo by Marco Borggreve

▲Video: Jefta Varwijk