使用中に変形できる新しい折り紙構造を開発
金属のような硬い材料でも山から谷に変化

折り紙をもとにした構造はこれまで、宇宙で展開するソーラーパネルや、シンフォニーホール用の音響システム、ドローン用の衝突防止システムなどに使用されてきたが、ジョージア工科大学研究チームは、あるパターンから別のパターンへ変形させることや、2つのパターンを混在させることができる新しいタイプの折り紙構造を開発した。

このハイブリッドな折り紙構造は、機械に再プログラムが可能な特性をもたせることで、材料を使用している最中にその特性を変えられるようになるという。

このチームはまず、「ミウラ折り」と「卵トレイ」の2種類の折り紙パターンを用意。どちらも繰り返しのパターンでシート状にすることができ、ミウラ折りは折りたたまれたジグザグの列のようであり、卵トレイは山と谷が続く山脈に似ている。

▲Credit: Allison Carter

どちらもとても小さく圧縮できるが、広げたときの曲がり方が違い、卵トレイはドーム型になり、ミウラ折りはくぼんだ形になるのだという。

開発した新しいパターンでは、折り紙の一部分を構成する4つの平面のうち、2つの平面の形状を再設計できるという変形機能をもつ。一方の側でこの2つの平面を縮めることで、折り目が山から谷へと変わり、反対方向に折りたたむことができるようになるのだ。

重要なのは、こうした山から谷への変化が、紙のような柔軟な材料でも、金属のような硬い材料でも生じうることである。研究チームは、先に挙げた音響システムでは音の反響の大きさを、ドローンの衝突防止システムでは耐衝撃性を向上させることができるのではないか、と考えている。End