フェロー諸島の首都に教育機関「Glasir」の校舎が完成
BIGが手がけた渦巻き形の建築に3つの学校が入居

デンマーク・フェロー諸島の首都トースハウン(Tórshavn)最大の教育機関「Glasir」の校舎が完成した。ジムナジウム、テクニカルカレッジ、ビジネスカレッジの3つの学校が入る19,200㎡の渦巻き形の建築で、生徒と教職員を合わせて1,750人以上が活動する。

設計はビャルケ・インゲルスが主宰する建築設計事務所 BIGが手がけており、3校がそれぞれの独立性やアイデンティティをもちつつ、協働と学習に理想的な環境を作ることを目指した。

中央にある中庭エリアを囲む5階建ての円形の建築には、この3校、および食堂と職員室、体育館と集会施設が各階に別れて入居。

敷地は急斜面になっており、そのため校舎の正面入り口には大きな橋を設置。また、屋内にある中庭エリアは階段状で直径は32m。自然の景観を拡張・解釈した設計で、巨大な透明な天窓は、フェロー諸島の厳しい風や天候から守ってくれると同時に、アトリウムに豊かな日光を採り込んでくれる。

内装には石や打ちっ放しのコンクリート、木材を用い、さまざまな表面処理を施して自然なキャンバスを作り上げ、外装にはガラスやアルミニウムを採用することで、彫刻的なデザインの外形に対しニュートラルな灰色とした。時間が経てば屋上に植えた芝生が伸び、この教育センターがフェロー諸島の景観に溶け込むようになっている。End