トウモロコシの包葉で作った新しいベニヤ材「Totomoxtle」
メキシコ伝統的な農業を取り戻すプロジェクト

Totomoxtle」は、メキシコに古くから伝わるトウモロコシの包葉で作った新しいベニヤ材。濃い紫色から淡いクリーム色まで、自然の色の豊かさがあり、美食に欠かせないメキシコ原産のトウモロコシの多様性を紹介するプロジェクトだ。

さらに、デザインの力でメキシコでの伝統的な農業の再生をめざすプロジェクトで、貧しい農家の収入源となり、将来的な食の安全保障に向けた生物多様性の保護を実現するための新しい技術の開発にフォーカスしている。

実際、メキシコではトウモロコシの在来品種の数が現在急激に減少しているそうだ。国際的な貿易協定や、除草剤・農薬の積極的な使用、高度に改良された外国産の種子の流入により、国内での天然のトウモロコシの栽培は衰退。

Tototmoxtleは、プエブラ州の先住民「ミシュテカ(Mixteca)」の農家と牧畜民の小さな村「Tonahuixtla」のコミュニティと提携して運営。この村は、産業農業の流入とそれによる雇用の喪失により荒廃し、その結果、人々は村外に出ていき、土地は侵食され、そして土着の種子が失われてしまった。

そこで、Fernando Laposseは2016年以来、複数の家族と協力し、世界最大級のトウモロコシ種子バンク「CIMMYT(国際トウモロコシ・コムギ改良センター)」の支援を受けて、村に徐々に土着種子を取り戻し、伝統的な農業が再開されることになった。

収穫後に不要になった包葉は、地元の女性たちのグループがベニヤ材に変換。地元の重要な雇用も生み出している。End