イギリスの美術館に出現したカラフルな「Dulwich Pavilion」
西アフリカとヨーロッパの文化を融合させたデザイン

ロンドン南部 ダリッジにある美術館 ダリッジ・ピクチャー・ギャラリー(Dulwich Picture Gallery)では、「Dulwich Pavilion 2019: The Colour Palace」という建築が公開されている。建築スタジオ Pricegoreとデザイナー Yinka Iloriのコラボレーションによるパビリオンで、規模も大きく構造物としても巧みに作られたカラフルな宮殿だ。

大胆な幾何学模様をあしらった高さ10mの立方体で、下部には4本の巨大な赤い円柱形の柱が見える。その中心にあるのがアトリウムで、来場者はさまざまな視点から構造を眺めることができる。また、階段をのぼると上からの景色も楽しめるようになっている。

ナイジェリア出身のYinka Iloriによる、西アフリカとヨーロッパの文化を融合させたデザインで、同国の港湾都市 ラゴス(Lagos)の繊維市場のざわめきと、この美術館を設計した建築家 ジョン・ソーン(John Soane)のシンメトリー、曲線、直角を用いた館のデザインからインスピレーションを受けているという。

そこから生まれたこのパビリオンのイメージは実に多彩だ。たとえば、ゾウの足の上で揺れているランタン、市場で屋根を買った4人の男、「staddle stones」というキノコ型の石の台座の上に乗っている穀物店、劇場、仮面舞踏会、ラゴスの市場に吊るされた織物の襞、楽園への入口などなど…。さて、あなたにはどんなものに見えるだろうか?End