イギリス・コーンウォールにある古城を結ぶ
カンチレバーの歩道橋「Tintagel Footbridge」

イギリス南西部コーンウォールにあるティンタジェル城(Tintagel Castle)は、1000年以上も前から城砦があったとされる古城である。城の先には小島のように海に突き出た岬があり、そのあいだは谷のように深く土地が削られている。

この谷にかける新しい歩道橋のデザインの国際コンペが開かれ、2016年にNey&PartnersWilliam Matthews Associatesが共同で提出したデザイン案が優勝を収めた。現在、2019年夏の完成を目指し施工中である。

そのコンセプトはシンプルなもので、かつて存在したつながりを作り直し、現状のヴォイドを越えることだという。つまり、一方の岩場ともう一方の岩場のあいだに第3の要素を付け加えるのではなく、双方からカンチレバーが伸びて、中央部分で手をつなぐような設計である。

見た目には、中央に材を多く使用しないことで、その下にあるボイドが強調されている。高さ4.5mもある橋の構造はお互いの岩場から突き出し、中央では厚さ170mmにまで切り詰められたデザインだ。

こうして本土と島つなぐ歩道橋では、ティンタジェルの魅力である現在と過去、既知と未知、現実と伝説のあいだの移ろいを楽しむことができるだろう。End