NEWS | 建築
2019.08.06 14:14
アフリカ・ニジェールの農村地域では、市場は週ごとに開かれるので、農作物を売るために一週間をかけて村から村へと移動するそうだ。とはいえ人口は急速に増加しており、Dandajiという村では、いつも同じ方法で作物の売買ができる住民向けの常設市場が必要となったそうだ。
現在は、公共スペースとなる古くから大事にしてきた木のまわりに毎週市場が立っているが、新しいプロジェクトでも同じ場所を使用。そこに、使い手が未来に向けた自信と希望を投影できるような空間を作り出すことが目的だ。
同国を拠点とするatelier masōmīの設計では、アドべの柱とアシの屋根というこの地域の市場にみられる伝統的な建築を参照。耐久性を高めるために圧縮土のレンガと金属を使用した。こうして、見た目にも魅力的で、使い手が誇りを持つことができ、地域により多くの商売をもたらすインフラができあがった。
乾燥した砂漠では木が育ちにくいので、カラフルなリサイクルした金属製のキャノピーを使用して日よけとした。円盤型の日よけは高さが違うので自然な換気を促し、最上部の円盤が熱気を受けとめてくれる。
市場は古い木に向かって段階状に降りていくようにレイアウトされており、その周囲は多くの人が集まるための座席と休憩スペースを備えることで、実質的な公共スペースが完成したのだ。