森記念財団 都市戦略研究所が全国各都市の「特性」を分析
「日本の都市特性評価」の2019年版が公開

▲Photo by Louie Martinez on Unsplash

森ビルのシンクタンクである森記念財団 都市戦略研究所は、「日本の都市特性評価」の2019年版を発表した。この調査は、全国の主要72都市および東京23区を対象として、定量・定性データをもとに分析し、各都市が有する「特性」を明らかにしたものである。

世界の総人口が今後も増加を続けることが予測され、かたや日本は少子高齢化や急速な人口減少が見込まれている。

そのような状況下でもなお、日本全体が活力を保ち続けるためには、全国各都市の「特性」を明らかにし、その「特性」を活かした都市づくりを進め、人や企業を惹きつける「磁力」や魅力や強みを継続的に発揮し続ける「発展性」を維持することが鍵になる。同評価は、こうした地方創生に向けた新たな政策立案ツールとなることを想定している。

調査では、都市を構成する「経済・ビジネス」「研究・開発」「文化・交流」「生活・居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野を設定。各分野で主要な要素を表す26の指標グループと、それらを構成する83の指標を選定し、レーダーチャートで視覚的に表現した。

東京23区とともに対象都市となった72都市は、各都道府県で人口規模が第1~3位の都市のなかで、政令指定都市と県庁所在地、および、人口20万人以上かつ一定の昼夜間人口比率(3大都市圏では1.0 以上、それ以外は0.9 以上)の基準を満たすものから選ばれた。

今回の発表では、長野県松本市が例として挙げられている。同市が掲げる〈美しく生きる。健康寿命延伸都市〉は都市特性にも現れており、特に環境分野はもっとも高い評価を受けた。生活・居住分野では「平均寿命・健康寿命」や「医師の多さ」の評価が高く、また経済分野では「高齢者就業率」が高く、恵まれた自然環境と優れた居住環境の下、人々が健康的に長く活躍していることがうかがえるそうだ。End