北京の地下に完成した多目的施設「GreenMonster Lab」
防火設備や柱を隠して展示ルームに変えるBANDeのデザイン

中国・北京の望京地区にある「Kuntai Jiarui Cultural Center」の地下1階に完成した「GreenMonster Lab」。エキシビションセンター、文化ホール、書店、ブランドの展示ルームなどが入居する多目的カルチャースペースだ。

約5,000m2のフロアはいくつかのパートに分かれており、その始まりとなるのは、世界中の歴史ある出土品を展示するカルチャーパビリオンで、中国建築を体現する木材構造を採用している。

第2の空間は、スチールメッシュで覆われたユニットが5セット並んでおり、各ユニットに柱を活用することで、一度に2組の出品者が利用できるようになっている。この壁はギャラリーとしてアート作品を展示することも可能だ。

「Le flottant」と題された第3の空間は、作業スペース8セットと休憩ユニット2セットで構成。フード、カルチャー、居心地のよさをもたらす空間で、混雑した街でささやかな静けさが感じられる、おしゃべりとリラックスの場にもなるという。

北京の建築スタジオ BANDeによるデザインは、非常に複雑なもとの空間の整理を目指した。この地下空間には防火シャッターや防火壁、排煙ダクトなどの設備があり、乱雑なイメージをもったそうだ。空間を整理しながら機能を活用し、この場所の条件に適した空間的な秩序を作りあげた。

また、柱もやっかいな存在で、装飾にして隠したものもあれば、さらに分厚くしてスチールメッシュで囲み、機能性を持たせたものもある。半透明の状態にすることで、スタイリッシュであるとともに柱を隠し、ユニット内のスタッフも覆ってくれるのだ。End