二俣公一のCASE-REALが「イソップ 大丸心斎橋店」の内装を手がける
ヴォーリズのフィロソフィーに触れるような空間作りを目指す

▲Courtesy of Aesop

デザイナー 二俣公一が率いるCASE-REALは、スキンケアブランド「イソップ」の大丸心斎橋店の内装を手がけた。

同店を設計したのは、日本国内にさまざまな建築を残したW.M.ヴォーリズ。1933年に建てられたネオゴシック様式の建築で、六角形のステンドグラスや八角形の柱など、アールデコの特徴である幾何学模様が随所に散りばめられた豪華絢爛な建物であった。

▲Courtesy of Aesop

耐震補強などを背景に2016年より解体・建て替えとなった大丸心斎橋店だが、同事務所はヴォーリズのフィロソフィーに触れるような空間を作りたいと考えた。

まず、メインマテリアルにはヴォーリズ建築に多く見られる濃茶の木を使用。さらにこれと相性の良いミカゲ石や、落ち着いた色の左官や銅板を組み合わせた。空間全体もヴォーリズ建築にたびたび見られる八角形という幾何学的な形状をモチーフに、ボリュームやプランそのものを構成したという。

▲Courtesy of Aesop

8という数字は、聖書の中では「復活、再生」を意味する重要な数字とされている。熱心なクリスチャンであったヴォーリズが当時どのような思いでこの大丸心斎橋店を設計したかは定かではないが、この空間を通して、この場所が様々なものを受け継ぎながら、イソップのストアとして再び新たな体験を生み出す場所となることを願ったそうだ。End