世界初の麦わらをベースにした衣類が登場
電力会社 フォータムと繊維メーカー Spinnovaが共同開発

フィンランドの電力会社 フォータム(Fortum)は、同国を拠点とするサステナブルな繊維メーカー Spinnovaと共同で、サステナビリティの高いテキスタイルの開発に向けて、世界で初めて麦わらをベースにした衣類の試作品を完成させた。

カナダ・バンクーバーで開催された「Textile Exchange Sustainability Conference」において公開されたのは、ニットTシャツのほか、オーガニックコットンも使ったジャケットとスカートで、世界初の農業廃棄物から作られた衣類が誕生した。

公開された麦わらは、Fortumの関連会社 Chempolis Oyが開発したサステナビリティの高い分別技術で処理したのち、現在は試験段階にあるSpinnovaの技術で、植物の細胞壁の骨格成分であるミクロフィブリル化セルロースを機械で直接繊維に転換。溶解させたり有害な化学プロセスを用いたりすることもないそうだ。

また、このユニークな試作品は、「ライフサイクルアセスメント」と呼ばれる環境影響評価の手法で検証を行い、原料抽出、加工、製造の各工程で環境への影響は極めて低いことが確認されているという。

両社は、Fortumが今後構築するバイオリファイナリー施設で、農業廃棄物などのバイオマス資源を使って持続可能な繊維の生産体制を確立することを計画している。