アメリカの建築家 ポール・ルドルフが手がけた建築
「Walker Guest House」がオークションに出品

アメリカの建築家 ポール・ルドルフ(Paul Rudolph, 1918–1997)が手がけた建築「Walker Guest House」がサザビーズのオークションに出品されている。

ルドルフが設計したこのゲストハウスは、1952年にWalter W. Walker博士からの依頼を受けたもの。この博士は、ミネソタの木材商で、その膨大なアートコレクションを所蔵するWalker Art Centerを設立したT. B. Walkerの孫だという。

建築界の新星であるルドルフは、ゲストハウスの依頼を受けたときはまだ30代。建築家 ラルフ・トウィッチェルの事務所から独立して初のプロジェクトで、米ミッドセンチュリーのモダニスト建築の至宝とされ、ルドルフの数十年にわたるキャリアのなかでもっとも重要な作品の1つといえる。

建てられたのは、フロリダ湾に浮かぶサニベル島。プロジェクトは、室内空間と屋外空間の関係性に関する画期的な研究で、これはルドルフの全作品を決定づけるものだ。木材、スチール、ガラスを使い、慎重に均衡をもたせたライン、平面、ボリュームを作ることで、住人には屋内と屋外の両方の経験ができる。

また、カリブ海の建築を参照して、この建築を象徴する機能である、調整可能で多機能的な屋外木製パネルを作成。閉じるとシャッターになり、開くと日よけの庇になるそうで、重りとして77ポンド(約35kg)の赤く塗られた地元の砲弾を使用しており、ウォーカー家の人々とサニベルの住人は、この家を「キャノンボール」と呼んでいたそうだ。End