Sergey Makhno Architectsによる「Father’s House」
壁で守られた安らぎと心地よさのある住宅

建築家のSergey MakhnoとAlexander Kovpakがウクライナ・キエフに建てた私邸「Father’s House」。ウクライナでは「batkivska hata」と呼ばれる父の家は、子供時代の最高の思い出が生まれる、安らぎと心地よさがあふれる場所なのだ。

寝室は複数設け、ワインルーム、家族用の朝食エリア(キッチン)やダイニングエリア(リビングルーム)、さらには家屋全体に沿ってギャラリーも設置。台座の上に建てることでギャラリーの機能を強調、天井は母屋よりも高くした。

通りに面したスペースは、屋外テラスとして使用。石の庭園は壁に開いた丸い穴の後ろに隠し、サンベッドのあるプールは長方形のアーチの後ろに隠したようにしているが、メインエントランスは、道路から見えないように巨大なスラブ構造で隠した。

壁は建築・デザインのソリューションでもあるが、いたわり、保護し、安らぎを与える父の心を体現。そして、家族の創造的で繊細な、親しみのある心を守るこの壁は、水辺の世界へと開かれている。

設計を担当したKovpakは、この建築におけるコンクリートの重要性を強調。「プロの観点からすれば、これはコンクリートの建築物ですが、クリエイティブな観点からすれば、コンクリートの詩なのです。壁は創造性への架け橋となるものです」と語っている。End