タイルの模様についての考察が満載
秋山仁による「離散幾何学フロンティア」が登場

数学者で数学の伝道師としても知られる秋山仁氏の集大成となる書籍、「離散幾何学フロンティア」が近代科学社から発売された。本体価格は4,500円(税別)となっている。

同書は、ここ十数年間の著者自身の業績のなかでも美しく発展的な結果を厳選し、数多くの最新の研究結果も加えた離散幾何学の書だそうだ。

とても難しそうな気もするが、たとえば第1章で取り上げる「タイル張り」をはじめとして、私たちが日常で目にするタイルの模様についての考察が満載。

もちろん、タイル張りや変身図形の設計技術を数学的アイデアによって解説していくわけだが、新しい理論(定理とその証明)が作られていくプロセスのほか、具体的な応用も提示してくれる。

なにより、独自に考案・発見した多数の定理を、約1000点におよぶカラー図版を用いて詳細に述べており、図版を眺めるだけでも1冊のデザイン書として役立ちそうだ。「コンウェイ・タイル」や「タイル・メーカー」定理など聞きなれない用語も、案外身近に接しているものかもしれない。End