美術家・澁谷俊彦が札幌で手がける
冬のランドアート「Snow Pallet 12」が公開中

美術家・澁谷俊彦が札幌で手がける冬のランドアート「Snow Pallet 12」が2020年3月初旬・雪解けの頃まで公開中だ。会場は、札幌市中央区にある札幌デザイナー学院 玄関横階段エントランスおよびショコラティエ マサール中庭の2か所。

この作品は、年間降雪量6mにも達する札幌を中心に展開される「冬の記憶」のためのサイトスペシフィックアート。スノーパレットとは、オブジェ裏面に塗布された蛍光塗料が雪の反射によって雪面に鮮やかな色彩を表出させるインスタレーションで、高さが異なるオブジェを会場に設置。その時々の太陽光と積雪量によってさまざまに景色を変えていく。

設置場所で異なる積雪の形状や、初雪から雪解けまで約4か月の変化する景色、1日の時間軸で変化する表出された色彩、さらには、曇天・降雪時のほうが彩度の映えるという太陽光のスペクトルのマジックが織りなす色彩が楽しめるそうで、タイムスケープランドアートであるともいえる作品だ。

プロジェクトの副題は、「-アントロポセン(人新世)に積もる雪- / Snow on Anthropocene-」。人類が地球の地質や生態系に重大な影響を与える発端を起点として提案された、想定上の地質時代を指す言葉である。

2011年よりプロジェクトはスタートしたが、年々降雪量は減り、数十年単位で記録された突発的な大雪、あるいは少雪も短周期で頻繁に起きている。これらの現象は、地球温暖化やそれに伴う気候変動、異常気象の影響だと考えられる。

▲ショコラティエマサール中庭 2月1日の様子

環境破壊は人類史上最大、かつ地球市民すべての人々に関わる大きな課題に対して、いかに環境保全、環境改善の道筋を示していけるのか。この作品が提示するのは、気象データとスノーパレットの景色の記憶である。End

SNOW PALLET 12
-アントロポセン(人新世)に積もる雪- / Snow on Anthropocene-

会期
2019年12月初旬(根雪の頃から)~2020年3月初旬(雪解けの頃まで)
会場
札幌デザイナー学院 玄関横階段エントランス
※屋外からの鑑賞のみ、日の出から日没まで。
ショコラティエ マサール中庭
※10:00~19:00(火曜日 定休日)
詳細
https://www.toshihikoshibuya2.com/snow-pallet