OMAがベルギー国鉄新本社ビルを設計へ
現代のブリュッセルがもつ「2つの顔」を強調

▲© OMA

建設設計事務所 OMAJaspers-Eyers Architectsと共同で、ブリュッセルでのベルギー国鉄(SNCB)の新本社の設計を手がけることになった。総面積75,000平米のプロジェクトで、SNCBの全部門が集結し、4,000人の従業員が活動する場になるという。

フォンスニー通り(Fonsny Avenue)沿いにあるブリュッセル南駅前には、3棟のビルがある。1958年の万博の際に一斉に建てられたもので、さまざまな建築家が設計に携わった歴史がある。しかし、この20年間は空室が目立っていた。外観はレンガ造りで統一されているが、各棟は機能として自律性がなく、内部もフロアの高さが合わず、グリッドのパターンもまちまちだった。

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そこで、これらのビルはそのままに、駅側に全長236m・11階建ての新しい建築を追加することになった。SNCBのオフィススペース、会議室や実習室、フィットネスセンター、レストランのほか、既存の建物には屋上庭園も設け、地上レベルでは3階分の高さのエントランスロビーやショップスペースがあり、ホームも目の前に見えるそうだ。

新しい棟は線路との関係でもともとの水平推力を維持することで、印象的な効果を演出。険しい崖のような外観だが、フリット加工していない丸窓を用いることで粒が並んだようにも見える。

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また、線路に向かってオープンにすることで、組織の透明性を市民に伝えるなど、建物内部の活動も遊び心のある形で紹介。現代のブリュッセルにおけるヤヌスのように、2つの顔、2つの側面をもつプロジェクトで、古いものと新しいもののコントラストが美しさをもたらすことを目指している。End

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