イタリア・ルッシに完成した新しい発電施設「Powerbarn」
農村と産業のあいだのインターフェースとなる建築

▲photographer:Massimo Crivellari

イタリア・ルッシに完成した新しい発電施設「Powerbarn」は、発電所と農地のあいだの関係を再考するものだという。

かつては工業地帯だった地域で、すぐ脇には農地が広がっているという。そこにある製糖工場跡を再生可能エネルギー発電のための新しい施設へと転換するプロジェクトで、Giovanni Vaccarini Architettiが設計を手がけた。

▲photographer:Massimo Crivellari

環境を優先したマスタープランでは、農地が広がる景色を組み込みつつ、建物が結晶のように地面から現れるデザインを採用。

農村と産業のあいだのインターフェースとなる建築で、「エッジ」のデザインからスタート。アドリア海の風景におなじみの砂丘をイメージしながら、エリアの境界に施設を建てることで巧みに環境負荷を低減。敷地は高さ3〜10mで、歩行者や自転車がアクセスできる木々や小道もあり、自然の堤防として設計されたという。

▲photographer:Massimo Crivellari

▲photographer:Massimo Crivellari

カッラローネ通り沿いにある発電施設と横にある煙突は、大きさもデザインも非常に特徴的で、そのボリュームは圧倒するようなものだが、砂丘を設けて高さの印象を最小限に抑え、外観を洗練されたカモフラージュとすることで、三角形の万華鏡のようなファセットができあがった。

▲photographer:Massimo Crivellari

▲photographer:Massimo Crivellari

▲photographer:Massimo Crivellari

工場によくあるフェンスは使わず、アクセス可能な砂丘と自然な小道で囲んで、施設とその周辺のあいだを開放的にすることを目指した。30MWeを発電するバイオマスプラントは、木材チップに河川の土手の草刈りや枝打ちから出た残留物を加えたものを燃料としており、すべて敷地の半径70km以内から獲得。建設による環境への影響を最小限に抑えるために、盛り土は現場から出たものを使い、新鮮な土壌で覆って木を植えているそうだ。End

▲photographer:Massimo Crivellari

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