再生可能エネルギーを利用した世界最大級の水素製造施設
福島県浪江町に完成した「FH2R」

▲完成した福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)、東芝エネルギーシステムズ東北電力岩谷産業は、再生可能エネルギーを利用した大型水素製造施設「福島水素エネルギー研究フィールド(Fukushima Hydrogen Energy Research Field(FH2R))」を完成させた。

水素は電力を長期にわたり大量に貯蔵することができ、長距離輸送が可能で、燃料電池によるコジェネレーション(熱電併給)や燃料電池車など、さまざまな用途に利用できるとされる。将来的には再生可能エネルギー由来の水素を活用し、製造から利用に至るまで一貫してCO2フリーの水素供給システムを確立することが期待されている。

▲事業の全体像

このような背景から、同施設は2018年から福島県浪江町で建設が進められ、2020年2月末より稼働を開始。18万m2の敷地内に設置した20MWの太陽光発電の電力を用いて、世界最大級となる10MWの水素製造装置で水の電気分解を行い、毎時1,200Nm3(定格運転時)の水素を製造、貯蔵・供給するという。

また、出力変動の大きい再生可能エネルギーの電力を、電力系統に対する需給調整を行うことで蓄電池を使わずに最大限利用して、クリーンで低コストの水素製造技術の確立を目指している。

製造された水素は、定置型燃料電池向けの発電用途、燃料電池車や燃料電池バス向けのモビリティ用途などに使用されるそうだ。End