スウェーデン、低コストの木造風力発電タワーを開発、
2022年の実用化を目指す

スウェーデンのエンジニアリング企業「Modvion」は、低コストで効率的に輸送・建設ができる風力発電タワーの開発を手がけている。

風力発電タワーを建設するとき、課題となるのは輸送である。100m以上のタワーとなれば、ベース部分の直径は4.3m以上となり、アメリカや多くのEU諸国ではそのまま輸送することはできない。さらに、従来の鋼鉄製のタワー構造では、高くなるにつれて壁の厚みも必要となり、コストが非常に高くなる。

そこで同社はタワーの素材として木材を使用。パーツを分解し、積み重ねた状態で建設現場まで輸送するので、一度にたくさんのパーツを運ぶことができる。現地では、クレーンを使ってすばやく組み立てることが可能だ。

同社はこのほど、初めてとなる風力発電タワーをヨーテボリ郊外にあるBjörköという島に完成させた。このタワーの高さは30mを誇るという。木製だが鋼鉄製よりも強靭だそうで、木材を使うことで風力タービンとしてCO2排出量を削減できるとしている。

今回の風力発電タワーは研究用だそうで、早ければ2022年の実用化を目指している。また、同国の電力会社 Varberg Energiとは110m規模のタワーを、Rabbalshede Kraftとは150m規模のタワー10基を建設することで合意しているそうだ。End